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イヌマキ

2020年12月25日 | 樹木・草花のお話

 10~12月に実をつける常緑針葉樹「イヌマキ」。

 緑色の部分が種子で、有毒(イヌマキラクトン)なので、食べてしまうと嘔吐や下痢の症状を引き起こします。

 赤色の部分は果床(かしょう)といい、熟すと紫色になり、甘くて、食べることが出来ます。

 イヌマキは、庭木や垣根に使われるので、子供の頃は、垣根に出来た果床を食べながら、近所の家々の隙間を探検しましたね(^o^)。

 

 有毒成分を含む緑色の実が、地面に落ちると発芽します。

 こんな感じで、発芽します。

 そして、こうなります。

 

 イヌマキという名前の由来は、コウヤマキより劣るからイヌマキ。

 コウヤマキのことをホンマキといい、ホンマキよりも葉の姿や形が劣るので、イヌマキ。

 ちなみに、樹木の名前で「イヌ」がつくものは、本家と比較して、劣るという意味があります。

 

 イヌマキは海岸に近い山地に生え、耐陰性の強い樹木(陰樹)です。

 樹高は20mほどになりますが、幹は螺旋状に曲がるように成長するため、木材として乾燥させると割れやすいため、材木としては、あまり利用されません。

 

 イヌマキは雌雄異株で、5~6月頃に開花します。

 写真の花は雄花です。

 

 これは通常のイヌマキの葉。

 イヌマキの中には、小型で葉が短く密生するラカンマキという品種があります。

 ラカンマキは異種ではなく、イヌマキの品種です。

 

 12月くらいだと、ほとんどの実は落ちていますが、枝に付いている紫に熟した果床を見つけて、取って食べる。

 実りが少ない冬という季節の中で、甘さを楽しめる貴重な樹木「イヌマキ」。

 みなさんも、イヌマキの実を見つけたら、是非、ご賞味下さい。

 ただし、緑色は有毒なので、絶対に食べないで下さいね!



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