当日の天気をとても心配していたんですが、流石、ダイヤの原石&白金の卵である受講生。
お天道様も、大雨予報を大きく変えて、曇り時々小雨に変えてくれました。
(この写真に、僕は写っていません)
さらに!素敵な飛び入り参加も。
飛び入り参加の方々は、これまで、森林・林業とはほとんど縁がない方達で、的をついた的確な質問が飛び交い、お陰様で、想定以上にレベルの高い研修会になりました。
今回のご依頼は、僕自身にとっても、とてもイイ刺激をいただきました。
1日目の様子。この写真にも僕は写っていません。議論中の様子を撮影していたので。
2日目の様子。同じく、僕は写っていません。が、きちんと仕事はしましたよ
さて、講義内容を、ザッと簡単にまとめます。
自伐型林業に取り組む方には、以下のことをお伝えさせていただきました。
・樹木は光合成を行って、成長するが、特に重要な器官は「葉」であること。
葉は、光合成を行い、水の吸い上げに大きく関与する蒸散を行う。
葉の量、葉の色、葉の付き方など、葉は樹木の健康を判断する重要な要素である。
・林業において、林木(樹木)を育てる場合も同じで、林木の着葉量を減らさないように心がけないといけない。
林木の着葉量が多いと、林木も元気良く育つという事を理解できれば、幹や根の成長も良くなる!と言うことに気づく。
と言うことは、間伐は、林木が元気に育てる環境を整えるための施業である・・・と言える。
と言うことは、間伐は、下層植生を豊かにすることが目的ではない・・・とも言える。
・もし、下層植生を豊かにすることを目的に、間伐を行うなら、藤森先生が提唱した「林分の発達段階」を理解する必要がある。
若齢段階や成熟段階を知っていれば、どのような間伐を行えば、下層植生が生えるのか、ということに気づく。
そして、それは、やっぱり、樹木(林木)が健康に育つ環境を整えているよね。ということになる。
森林は樹木の集団だから、健康な樹木が多い森林って、イイ森だよって、言えるんじゃないかな。
森林整備とは、樹木が元気に育つ環境を整えること。じゃないかな。
・林業が求める木材生産は、本来、樹木自身が求める姿ではない。
だから、強い風や積雪など自然環境の影響を受けやすくなってしまう。
だから、きちんと手入れをしないといけない、ということに気づく。
本来求めている姿ではないけれど、その範疇で、とても健康な樹木を育て、それが集団化すれば、自然環境に対する応用力の幅も広がる。
本来求めている姿ではない上、とても不健康な樹木の集団を見ても、安心できないよね?
・作業道が出来たことで、光環境が変化し、樹木の成長にどんな影響を与えているのか。実際に見て、理解していただく。
その影響を樹木達は目に見える形で表してくれていることに、気づけば、森林づくりの視野も、少しずつ広がる。
そして、飛び入り参加して下さった林業とのご縁が少ない方達からいただいた質問のおかげで・・・
・樹木の成長は、会社経営に似ている。
樹木(会社)を支持するためには、多くの葉(労働者)がいる。
密度が高い森に生きる樹木(会社)は、太りにくいが、それでも、上へ上へと伸びる(新しい仕事が増える)。
だけど、光環境(労働環境)が悪いから、自ずと、葉(労働者)の量は減少し、根(基盤)が脆弱なまま、樹木(会社)を維持できず、倒木(倒産)してしまう・・・
・森林づくりは、社会づくりに似ている。
少し曲がっているが、幹が太くて、樹高が高い樹木(大企業)を残すのか、通直だが、幹が細く、樹高がやや低い樹木(中小企業)を残すのか。
どちらの樹木(企業)を育てる方が、森林(社会)にとっていいのだろうか?
・だから、森林や林業って世界は、面白い!
というお話をさせていただきました。
樹木はお話ししないけど、色々悩んで、苦労して、生きていると言うことに気づけば、もっと違った視点で、森・山を見られるようになると思います。
そして、樹木と森林の基礎知識を身につけておけば、山の育成方針を論理的に説明できるので、営業ツールにも応用できますし、観光客に対する語り部的なことにも応用できます。
最後に、自伐型林業に取り組む方達には、木材という資源だけじゃなく、森林が生み出す景観(森林空間)や今進めている施業(森林施業)も上手く利用して、収入に繋がる形を意識し、イメージし、新しい産業スタイルを築いて欲しいとお伝えさせていただきました。
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