個人的な考えですが、基本的にみんな森林づくりのビジョンを描く力を持っている。
だけど、それがあまり鮮明ではなかったり、偏った視点になったり、しているんじゃないのかなと・・・
その前に、そもそも森林づくりビジョンって何?って話ですよね・・・。
これまで通り木材生産を目指したスギやヒノキの人工林整備、広葉樹の木材生産やシイタケ原木、薪生産などを目指した広葉樹林施業、減災効果を目指した森林整備、未整備森林の解消など多様なニーズに合わせたもしくは、組み合わせた森林づくりを目指すため、この施業をするとこうなるな、ここはこんなリスクがあるな・・・と言う風に、森林を見たとき、向き合ったときの想像力、創造力、イメージを、森林づくりビジョンと僕が勝手に言ってます。
奈良県吉野地方にいた頃、間伐の選木作業中に師匠から「どんな山にしたいかイメージしながら選木しているか?、選木してきた木を振り返って見て、どんな山になるかイメージしながら、次を選木しているか?」とよく言われていました。
何となくボヤーっとイメージできても、やはり、経験がなければ、明確なイメージは難しく、師匠に質問をしても、いつも答えは「木を見たら分かる」・・・。
そんなある日、樹木医の資格を得る過程の二次試験で、樹木医の診断に必要な樹木の基礎知識や森林の基礎知識を理解したとき、師匠の言葉を理解することができ、今以上に森林づくりのビジョンを鮮明に描けるようになりました。
これって、とても重要だなーと、特にこれから森林や林業に関わる上で必要だなーと思ったわけです。
前置きが非常に長くなってしまいましたが、これから森林や林業に関わる方が、森林づくりのビジョンをより鮮明に描けるように、何かできないかなと考え、「森林づくりビジョン開眼講座」の開講を計画した次第です。
先日(2019.2.9)、和歌山県有田川町のマルカ林業株式会社様のご協力を得て、今回、「林業施業と森林科学」をテーマに体験講座を開催させていただきました。
今回はその内容を簡単にご紹介します。
座学2時間、現場2時間の構成です。
はじめに植栽、下刈り、つる切り、除伐、枝打ち、間伐の6つの林業施業の適期を示す林業施業カレンダー作ってもらいました。
これは正解を当てるのではなく、自分が思う適期を改めて考えていただくために行いました。
その後、それぞれの施業の適期を解説。
植栽の春植え・秋植えの根拠、コンテナ苗であっても考えておくべき夏植えのリスクとその根拠。
下刈りを夏に行う理由と根拠。
下刈りと同時に行うつる切りの対象となるつる、下刈り不要の林齢になった後もつる切りが必要となるつるの特徴。
枝打ちは今回省略させていただき、間伐の適期とその根拠。
間伐の効果、間伐の選木、林分発達段階を絡めた森林づくりのお話をさせていただきました。
体験版と言うことで、情報が詰め込み過ぎだし、森林科学と言っておきながら樹木の生理学半分以上占めてたし、と、改善点が見えてきました。
単なる学問の話で終えるのではなく、自分の現場経験を織り交ぜながら、現場の方が聞いても「なるほど」っと思ってもらえるように、初めての方が聞いたら「早く現場で活かしたい」って思ってもらえるように、講座のカリキュラムやテキストを作成していこうと思います。
実際のところ、補助金の関係、山主の意向、法律などの制限があって、今回のお話のように行うことは難しいと思っています。
でも、知る必要はあると思っていて、同じ様に知りたい!と思う方に向けて、今後も企画していこうと思います。
なぜ、林業施業の適期を知る必要があるのか?
それは、林業施業が投資だからです。
投資したお金は、収穫した木材で回収し、再び、植栽という投資を行います。
林業施業という投資を最大限の効果で発揮できる時期が適期なので、知る必要があると思っています。
実際に実行できるのか?という問題点はありますが、知っておけば、次につなげられると思います。
知識は誰からも奪われることのない1つの財産です。
僕の知識という財産を、これから森林や林業に関わりたい方に提供し、共有できればなーと夢見てます。
そして次回。
これも体験版でクローズに行うんですが、自然観察の指導者育成向けの講座「樹木医学と自然観察」を行う予定です。
これも間伐木の選木に繋がるようにしていきたいなーと思います。
それと、本講座開講の前に、参加費の設定という悩ましく大きな問題も考えねば・・・
☆出来杉計画でも報告されているので、よろしければ、そちらも併せてご覧ください!
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