大型台風並みの暴風が予報された日の夕方、
汐留の電通にいた。
会議をしていると、
部屋がミシミシと音を立てる。
「風のせいですよ」
社員は平然と言うが、
あれだけ大きなビルなのに、
風で揺れるってどういうことだ。
やはり帆のような形をしているから、
海からの風の影響を受けやすいのか。
モンティ・パイソンの『人生狂騒曲』の冒頭に、
T・ギリアム監督の保険会社のビルが帆船のように荒野に走りだす短編映画がついているが、
同じようにいつか電通のビルも、
海からの風に押されて出航する日が来るのかもしれない。