舞台とインフルエンザ

2013年01月19日 08時40分23秒 | 業界のかけら

ある役者さんから聞いた話である。

数年前のことだ。
彼は2ケ月以上におよぶ長期間の公演に出演していた。

しかし公演が始まった直後、
役者の中にインフルエンザにかかった者が現れた。
しかも二人。

かなり困った事態である。
そこで彼らが選んだ手は・・・。

引き続きその二人を出演させる。

舞台裏は厳戒態勢。
役者・スタッフは全員マスク着用。
二人は出番以外は別楽屋に軟禁。

話をしてくれた役者曰く、

「インフルエンザは熱が出るだけですからね。
 喉をやられる方が怖いですよ」

たしかにそうだけど。

二人の患者は舞台の上で、
相当量のウィルスをまき散らしたはずだ。

しかしその後、
幸いにして共演者に感染者は出なかったという。

先日観たナカミチ円陣の『三人獅子舞』という芝居の中で、
「インフルエンザといえばたいていのことは許される」
みたいなセリフがあって確かにそうだと思ったけど、
ごくたまにインフルエンザでも休めないこともある。