観劇:『あ、ストレンジャー』(一部追記)

2013年01月25日 23時32分08秒 | エンタメのかけら

マームとジプシー公演『あ、ストレンジャー』を観た。

事前情報で、「反復」が特長と知っていたが、
生身の肉体が目の前でそれをやると想像を越えるインパクト。

(主人公を演じる青柳いづみさんの声が本当にいい。
 あのテキストを活かすのにぴったりの声。
 テキストと声が響き合っている)

岸田戯曲賞を受賞した戯曲も書店でチラ読みしたが、
あのテキストだけでこの舞台を想起するとは、
選考委員たちの読解力には恐れ入る。
僕が読んでも、今回観た舞台は想像できない。

しかし舞台表現で「反復」といえば、
音楽やダンスでは珍しいことではない。
(音楽やダンスで反復が許されるなら、
 小説でそれをやってもいいじゃないかと書かれたのが、
 筒井康隆の『ダンシング・ヴァニティ』)

それなのに、マームとジプシーの作品が注目を集めるのは、
ここまで徹底した「反復」の演劇作品がなかったということか。
それとも僕にはまったくわかっていない、
もっと深い深い何かがあるのか。

いずれにしろ、良いものを観たという思いに代わりはない。