ロケ台本廃止令

2015年10月10日 10時21分52秒 | 業界のかけら


ある番組でPが突然言い出した。

「この番組はロケ台本を無くそうと思う」

取材VTRが主体の番組である。
事前にロケ台本を作成するのは必須である。

Pの真意は?

「綿密なロケ台本を作ると、それに当てはめようとする」
「OKの出たロケ台本の寄せようとする」
「結果、映像に遊びがなくなる」

言っていることはよくわかる。
だが、ロケ台本を無くすというのは極端ではないか。

ディレクター陣から戸惑いの声が上がると、
Pは笑顔で言い放った。

「俺はロケ台本を作ったことはない」

しまった、あのPはディレクター時代も、
よく言えば天才肌、一般的に見れば掟破りのあらくれ者だった。

とはいえ、ロケ台本がまったく無しではロケは出来ない。
各ディレクターが自分のやりやすいスタイルでロケ台本を作成することになる。

それはそれで各VTRに個性が出そうだ。