読書:『江口寿史KING OF POP Side B』

2016年10月29日 10時05分07秒 | エンタメのかけら

江口寿史作品、書籍化されたものはすべて読んでいるはずだ。
しかしながら、今、手元にないものもある。
本書を読んだら、再び買い揃えたくなった。

読み終えてあらためて驚いたのは、
江口寿史の連載作品でまともに終わったのは、
『すすめ!!パイレーツ』だけだということだ。
(読み切り短編の連載は除く)

それ以外はすべて中断。未完。

この事実を肯定的に捉えていく編者の宮本大人さんの解説は、
もはや芸であり、見方によってはギャグでもある。僕はそう感じた。

編者あとがきの、
「『江口寿史と一緒に仕事ができる』という、
 中学時代の自分に言ってもまず信用されない幸運に恵まれる日が来るとは思わなかった」
という一文・・・気持ちはよくわかるなあ。
僕も今の仕事をしていて、そう感じたことが何度もあった。








ここからは余談。

駆け出しの頃、諸事情でオンエア時間がかぶる番組を担当することになった。
両方の番組でスタッフロールに名前を出すのは憚られ、
急遽ペンネームが必要になった。

番組に呼んでくれた先輩に連れられて、確か六本木の飲み屋に行き、
ペンネームの話をしていたら、席についた女性が、

「ひさしがいいんじゃない?」

理由を尋ねると、

「江口寿史も井上ひさしも原稿が遅いって言うでしょ。
 ”ひさし”って名前にしておけば、
 台本が遅れても”ひさしじゃ仕方ないか”ってことになるんじゃない」


そんな都合よくはいかないと思ったが、
その二人の名がスラスラと出てきたことに驚き、彼女の案を採用。
しばらく、「住んでいる街の名+久志」というペンネームを使ったのだった。