子どもに将棋を教えている知り合いのプロ棋士が、
「子どもたちにはいつも三手先を考えて、
次の手を指すように教えているんですよ」
と言っていた。
自分がこの手を指したら、
相手はこう指してくるだろう、
そうしたら今度自分はこう指す、
とそこまで考えてから、次の手を決める、
ということらしい。
なるほど。
この話を聞いて思い出したのは、
脚本家の君塚良一さんが書いていた、
「会話は基本、3つ1セット」ということだ。
男「君が好きだ」・・・①
女「ありがとう/ごめんなさい」・・・②
男 ②を受けてのリアクション・・・③
しかし駆け出しの脚本家は②までしか考えないことが多い、
というようなことを言っていた。
ああ、もう1つ思い出した。
君塚さんがこのことに気づいたのは、
師匠である萩本欽一さんから、
「笑いは、フリ・オチ・フォローの3つから成り立っている」
と教えられたことに基づいている、だったはず。
(君塚さんの話のくだり、うろ覚えなので、細部は異なっていると思いますが、
大意は合っていると思います)
将棋も、ドラマも、笑いも通底する思考は同じ。
三手先を考える。
これは人間のコミニュケーションには共通する、
「想像力」なのだろう。