景気の悪い話ちょっとイイ話

2021年03月04日 08時54分27秒 | 業界のかけら

番組予算が大幅に減額になるので、
4月から構成料を減額させて欲しいと、
番組プロデューサーから連絡があった。

ついにきたか。

レギュラー番組の構成料というのは、
最初に決めた金額から変わらない。
10年続いても上がることはないし、
(若手の頃は立場が変わって上がることはあるけど)
逆に下がることもない。
リーマンショックの時も、
番組の制作費はかなり減ったはずだが、
それ以前から継続している番組に関して、
構成料を下げられることはなかった。

しかし今回、ついにきた。

民放は企業の宣伝広告費で番組を作っている。
数年前からその金の多くがネットに流れている。
昨年はオリンピックに向け従来よりも宣伝広告費を抑えた企業も多い。
そして、この新型コロナ禍だ。

4月から構成料を減額させてほしいという申し出は2つあった。
某番組はスタッフを縮小するため、僕も降板することになった。

状況を鑑みれば、まあ、仕方ない。
今まで恵まれ過ぎていたのだ。

そんな中、ちょっとだけ心温かくなる話があった。
TBSの『この差って何ですか?』という番組も、
詳細は省くが、テレビ業界の変化の影響で終了となった。
立ち上げから深く関わっていて番組なので、
いまだに釈然としない思いが残るのだが、
その最終回のオンエアがあった日、
ADさんたちが番組も歩みをまとめたフォトブックを作り、
プロデューサーたちに贈ったと聞いた。
出演者に記念品を贈るという話はあるが、
ADからプロデューサーに記念品を贈るなんて話、
初めて聞いた。
おそらくみんな、寝る時間を削って作ったのだろう。

紆余曲折いろいろあったけど、
最終的にいいチームになったんだなあ。
この話を知ったとき、素直にそう思った。

縁があったら、また一緒に番組を作りましょう。