WECのステージ中、もっとも威厳ある大レース とも言える 「ル・マン 24h」 。
スタート直後からハイペースなデットヒートを繰り広げる、往年の記録を保持する 「ポルシェ」 と、常勝キングの威厳ある 「アウディ」 が終盤まで火花を散らした。
今年は例年に比べ、激しいクラッシュやリタイヤする台数の少なさが目立った。
そんな中、ほとんど国際映像に映らず、やっと出たと思ったらコースアウトし、ボンネット上の排気管(ドライバーの目の前って邪魔そう…)からユラユラと炎を上げる 日産 の GT-R LM は、恥ずかしいの極みで思わず録画を早送りに。
近年の日産は特異枠に実験車両(デルタウィング や ZERO RC) を送り込むも、手応えを掴む事無く迷走してるようにしか見えなかった。
矢継ぎ早に新しいコンセプトカーが送り込まれても、「懲りずにまた何か無駄遣いするみたい」 と、正直呆れるばかり。
事実、一度失敗したモデルを煮詰めて走らせ続けていない!(フィードバックされてないよね…)
「一発屋」、「目立てば儲け」、自分が持つ ル・マン における 「日産のイメージ」。
結局、今年もやってくれた。
それも通常枠(LMP1-H)に3台も送り込み、下位クラスにも追いつけないまま 「3台とも非完走」という 「何やってるんだ」 と力の抜ける結果に。
「GT-R」 の名が空しい(汗。
モータースポーツにおける姿勢は、親会社(メーカー)の思想が色濃く出ると思う。
そういう意味で、今の日産を象徴する珍事だったと言えるのかもしれないなぁ。
コツコツとやってきた感ある 「トヨタ」。
でも今年は見事にドイツ勢にやられた形に。
トヨタが昨年より2秒ほど速くなったところで、アウディ と ポルシェ は 5秒も速くなっていた!!
この3秒差は決定的で、ドライバーの技量うんぬんでは克服できない 「絶対差」 に。
決して遅くは無いし、故障も確実に減ったとは認めるものの、相手が何枚も上手では勝てない。
結果、もっとも上位で6位。
その前には アウディ と ポルシェ がギッシリと入っていた、完敗ですね。
でも良いレースだったと思う。
今年は雨もほとんど振らず、1日目が曇りだったおかげで夕方の強烈な西日が無かったので安定したレースが実現した。
「世界3大レース」 に数えられる 「ル・マン 24h」 は様々な面で特異。
自動車レースに関わる人なら、レーサーだけでなく関係者も 「一生に一度 は ル・マン 24h」 と思う人って少なくない気がする。
山岳レースの極みなら 「ニュルブルクリンク 24h」 とか物凄いけど、高速耐久レースとしてなら 「ル・マン 24h」 という感じかな?
大事故多発でシケインが儲けられた ユノディエール(6kmの林間直線)は当時、真っ直ぐだった頃に400km/h の大台で戦われてた。
当然、ひとたび事故が起これば大参事となり、「悪魔の棲む森」 と恐れられてた。
2012年、ここでトヨタがGTクラスのフェラーリと接触、空高く舞い上がって大破した衝撃のクラッシュは、今でも動画サイトに多数残ってますね(汗。
速度域が高い上に、コースの大半が 普段は一般道 という路面の性格上、難コースと言うレーサーが多い ル・マン(サルト・サーキット)。
…あれ?昔は「サルテ・サーキット」 って呼んでなかったっけ???
放送の解説を聞いてて自分も思った。
やはり戦略上(確率論ではなく)、ル・マン 24h は 「3台体制」 でないとチーム監督も作戦が練り難いだろうなぁ。
是非とも、来季のトヨタは 3台 体制で攻めて欲しいところ。
しばらく大人しい感じが続いていたトヨタも、モリゾウ さんを頂きにそえてからかなり変わって来てるように思う。
自動車大国と呼べる日本だが、レースの こと ル・マン 24h 史上 の総合優勝を勝ち取ったのは、マツダの 「チャージマツダ 787B(20B 型 4ロータリー)」 ただ1台だけ。
それも外人ドライバーの運転で(1991年)。
だからこそ日本のファンとして願ってしまうのです。
日本のメーカーが、日本人のドライバーで 「総合優勝」 で歴史に名を刻んでほしい!
今、もっともソレを実現できそうなメーカーが、「トヨタ」 だけに モリゾウ の決断に夢を見てしまうのです♪
さぁ、歴史的な アウディ と ポルシェ の激突年。
10月の WEC日本ラウンド はできれば直に観戦したいぞー。