熊澤良尊の将棋駒三昧

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続々・駒の書の話

2017-04-13 05:50:09 | 文章
4月13日(木)、晴れ。

窓を開けると、満月。
素晴らしい一日になりそう。


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昨日は、ここまで書きました。

  誰だったかは忘れましたが、以前読んだ本に「駒の書は特殊だから」という言葉がありました。
  本当にそうでしょうか。
  私の考えは、違います。
  まず第一に、駒の文字は、将棋というゲームの重要な「標識」でもあるので、誰でも間違いなく分かる読  みやすい事が不可欠です。
  今でも作られている伝統的な書き駒の中には「角行」と「銀将」が見分けがつきにくいものがあります。
  そのように駒の区別に迷うような文字は失格とも言えましょう。
  以前、NHK将棋で「銀の裏」を「金」と間違えて打ってしまったシーンを見たことがあります。
  これは間違った人の問題のうっかりですが、紛らわしい文字であった事がそれを防げなかったわけです。

  ところで、駒の違いが分かれば良いかというと、それだけではなく立派な文字であると思えるかどうかで  はないでしょうか。
  立派な文字というのは、人それぞれの主観も入りますので一概に決めつけるのは難しい事でもあります。

今日はこの続き。
とにかく駒の文字は「見やすい、わかりやすい」事が基本。
その上、紙に書いた「単独の書としても良いな」と思える書。
鍛錬を積んだ書家から見ても「良いな」と思える書。
これが理想です。

理想と云えば、奈良時代とか平安時代の書。
その中に、駒の文字としての理想の書が多くあります。
今の書家には無い、何かがあるのです。
それを時々見ながら「なんとか少しでも近づきたい」と思っても、足下にも及ばない。
彫る技術とか漆の技術などは、駒作りの基本にすぎないのですね。




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