7月10日(火)、晴れ。
今日は、肉筆書き駒と、盛上げ駒について触れてみたい。
少々、長文になりそうなので、ボツボツと何回かに分けて書き足して行くことにします。
1,江戸時代以前、駒の文字は極僅かな例外を除いて、ほとんど総てが肉筆で書かれた「書き駒」であった。
因みに、平安時代の最古とされる法隆寺境内から発掘された20枚ほどの駒は、当時の僧侶が自分用に、
手慰みに作った墨書の駒である。
素材は高級なツゲではなく、杉など手近にある端材を利用して、その形は素朴で不揃いな5角形に墨で
玉将とか歩兵とかの文字を書いて駒にした、どちらかというと粗末なモノであり、庶民的な駒だと言え
よう。
2,では、当時の駒は、そのようなモノばかりだったのであったのであろうか、少し考えてみる。
源氏物語で知られるような上流社会の公家達の嗜好は、どうであったかである。
前に述べた、この時代の遺跡から発掘されているような粗雑で粗末な駒では、当時の貴族は満足するはず
もない。「もっとしっかり作られた高級な駒も、当時からあったはず」だという考えである。
しかし、実際には、古い遺跡から発掘された駒には、そのような駒が発見されていない。
これは、どのような理由なのかである。
3,その理由を、あるときフトしたことで気がついた。
30年ほど前に「豊島龍山の遺族から譲り受けた遺品」の何百枚あるいは1千枚を超える古いツゲ駒の
中に、黒くボロボロになったモノが結構沢山あって、中にはお菓子の「ウエハウス」のようにスカスカ
状態で、かろうじて駒のカタチを保っているものが、百枚ほど。
どうやらそれは製品にならなかったハネ品であり、龍山は、それらを倉庫の棚に置きっ放しにしていて、
それが長年、雨漏りにさらされた結果、ツゲの駒がスカスカに朽ちた。
駒を使いっぱなしにしたり、箱に入れたまま放置すると「黄色や紫のカビが生えやすい」のも同根で、
「ツゲは雨ざらしに弱く、数年か数十年で朽ちる」。
ツゲには、そのような性質があるのです。
この続きは、また。
今日は、肉筆書き駒と、盛上げ駒について触れてみたい。
少々、長文になりそうなので、ボツボツと何回かに分けて書き足して行くことにします。
1,江戸時代以前、駒の文字は極僅かな例外を除いて、ほとんど総てが肉筆で書かれた「書き駒」であった。
因みに、平安時代の最古とされる法隆寺境内から発掘された20枚ほどの駒は、当時の僧侶が自分用に、
手慰みに作った墨書の駒である。
素材は高級なツゲではなく、杉など手近にある端材を利用して、その形は素朴で不揃いな5角形に墨で
玉将とか歩兵とかの文字を書いて駒にした、どちらかというと粗末なモノであり、庶民的な駒だと言え
よう。
2,では、当時の駒は、そのようなモノばかりだったのであったのであろうか、少し考えてみる。
源氏物語で知られるような上流社会の公家達の嗜好は、どうであったかである。
前に述べた、この時代の遺跡から発掘されているような粗雑で粗末な駒では、当時の貴族は満足するはず
もない。「もっとしっかり作られた高級な駒も、当時からあったはず」だという考えである。
しかし、実際には、古い遺跡から発掘された駒には、そのような駒が発見されていない。
これは、どのような理由なのかである。
3,その理由を、あるときフトしたことで気がついた。
30年ほど前に「豊島龍山の遺族から譲り受けた遺品」の何百枚あるいは1千枚を超える古いツゲ駒の
中に、黒くボロボロになったモノが結構沢山あって、中にはお菓子の「ウエハウス」のようにスカスカ
状態で、かろうじて駒のカタチを保っているものが、百枚ほど。
どうやらそれは製品にならなかったハネ品であり、龍山は、それらを倉庫の棚に置きっ放しにしていて、
それが長年、雨漏りにさらされた結果、ツゲの駒がスカスカに朽ちた。
駒を使いっぱなしにしたり、箱に入れたまま放置すると「黄色や紫のカビが生えやすい」のも同根で、
「ツゲは雨ざらしに弱く、数年か数十年で朽ちる」。
ツゲには、そのような性質があるのです。
この続きは、また。
駒の写真集
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http://blog.goo.ne.jp/photo/11726