8月25日(土)、ほぼ晴れでした。
先ほど、ある方から漆について、質問がありました。
メールでご返事しても良かったのですが、同じような悩みをお持ちの方もあるかと思い、ここで返事させていただきます。
【質問】
1,色々悩んでいることがあります。
まず、漆を濾紙で濾した後、ゴミではない粒が目立ってしまいます。
漆屋さんによると漆の粒子らしいですが、浮き上がってしまうと文字に粒が出てきてしまいます。
現在は濾した後しばらく(1〜2時間程)おいて粒子を目立たなくしてから使用しています。
濾し方も色々やりましたがどれも完全には取ることが出来ませんでした。
濾さない方が綺麗な場合もあるくらいです。
2,また、盛上げ直後の状態から漆を乾燥させていく間に文字の一部が流れ、漆が盛上がってない所などが
出てきてしまいます。当初は漆の粘度の影響かと思い粘口を使用したこともありますが改善されません
でした。
また、研磨剤が駒の表面に残ることで漆を弾いてしまうことも考えられ、入念に拭き取った後にやりま
したが完全には改善されせんでした。これが一番悩んでいることであります。
3,最後に、漆の乾燥時に縮みや皺が発生してしまうことです。
この問題は改善策があるのですが、毎回神経を使っています。
通常は盛上げたものを乾燥剤を入れた容器にいれてカラジメをしています。
こうしても皺が発生することがあり、この場合乾燥の遅い漆を少し混ぜることで対応しています。
乾燥に余裕があればこうした事が無くなると考えています。
【小生の意見】
1,に関して
「濾した時、粒が目立ってしまう」とのことですが、これは漆の粒ではありません」。
これは「濾す時に漆に空気が混じって発生する泡」なのです。
泡は時間と共にダンダン消滅するので、泡が無くなってから使えば良いわけですが、ソレには
時間が掛かるので、濾したあと、小さな棒などで撹拌することで、泡は早く消滅します。
2,に関して
「乾燥途上で、漆が流れる」は、漆の要因も考えられますが、木地の汚れの問題もあると思います。
木地の表面に「塩分」があると漆がはじかれて、弾かれると、そこには漆は載らないのです。
例えば「おかき」などを食べながら木地仕事をしていませんか。
この場合、指先についたおかきの塩分が知らないうちに木地に移って、ソレが悪さします。
ですから、清潔な指先を保って仕事をする心がけは重要です。
3,に関して
チジミ・皺の発生ですが、漆が厚いと中味に比べて、表面が早く固まる際に起きるトラブルです。
特に盛り上げの場合、これは致命的な問題になります。
これは固まる時の湿度管理が重要で、特に梅雨時は湿度が高いので、注意しなければなりません。
もう一つの要因は、漆にもあって、乾燥が早い漆もあれば、ゆっくりと乾燥する漆もあります。
乾燥が早い季節には、乾燥が遅い漆を使う配慮も重要で、これは非常に微妙なことなので、
ある程度の経験が必要かと思います。
結果がどうなのか、いろいろ試してみてください。
先ほど、ある方から漆について、質問がありました。
メールでご返事しても良かったのですが、同じような悩みをお持ちの方もあるかと思い、ここで返事させていただきます。
【質問】
1,色々悩んでいることがあります。
まず、漆を濾紙で濾した後、ゴミではない粒が目立ってしまいます。
漆屋さんによると漆の粒子らしいですが、浮き上がってしまうと文字に粒が出てきてしまいます。
現在は濾した後しばらく(1〜2時間程)おいて粒子を目立たなくしてから使用しています。
濾し方も色々やりましたがどれも完全には取ることが出来ませんでした。
濾さない方が綺麗な場合もあるくらいです。
2,また、盛上げ直後の状態から漆を乾燥させていく間に文字の一部が流れ、漆が盛上がってない所などが
出てきてしまいます。当初は漆の粘度の影響かと思い粘口を使用したこともありますが改善されません
でした。
また、研磨剤が駒の表面に残ることで漆を弾いてしまうことも考えられ、入念に拭き取った後にやりま
したが完全には改善されせんでした。これが一番悩んでいることであります。
3,最後に、漆の乾燥時に縮みや皺が発生してしまうことです。
この問題は改善策があるのですが、毎回神経を使っています。
通常は盛上げたものを乾燥剤を入れた容器にいれてカラジメをしています。
こうしても皺が発生することがあり、この場合乾燥の遅い漆を少し混ぜることで対応しています。
乾燥に余裕があればこうした事が無くなると考えています。
【小生の意見】
1,に関して
「濾した時、粒が目立ってしまう」とのことですが、これは漆の粒ではありません」。
これは「濾す時に漆に空気が混じって発生する泡」なのです。
泡は時間と共にダンダン消滅するので、泡が無くなってから使えば良いわけですが、ソレには
時間が掛かるので、濾したあと、小さな棒などで撹拌することで、泡は早く消滅します。
2,に関して
「乾燥途上で、漆が流れる」は、漆の要因も考えられますが、木地の汚れの問題もあると思います。
木地の表面に「塩分」があると漆がはじかれて、弾かれると、そこには漆は載らないのです。
例えば「おかき」などを食べながら木地仕事をしていませんか。
この場合、指先についたおかきの塩分が知らないうちに木地に移って、ソレが悪さします。
ですから、清潔な指先を保って仕事をする心がけは重要です。
3,に関して
チジミ・皺の発生ですが、漆が厚いと中味に比べて、表面が早く固まる際に起きるトラブルです。
特に盛り上げの場合、これは致命的な問題になります。
これは固まる時の湿度管理が重要で、特に梅雨時は湿度が高いので、注意しなければなりません。
もう一つの要因は、漆にもあって、乾燥が早い漆もあれば、ゆっくりと乾燥する漆もあります。
乾燥が早い季節には、乾燥が遅い漆を使う配慮も重要で、これは非常に微妙なことなので、
ある程度の経験が必要かと思います。
結果がどうなのか、いろいろ試してみてください。
駒の写真集
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