熊澤良尊の将棋駒三昧

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玉将と王将、問題提起

2019-06-23 07:33:43 | 文章

6月23日(日)、ぼんやりと晴れ。

昨日、びりたんさんから、長文のコメント。         

「お久しぶりです♪ 熊澤さんの王将と玉将の問題提起は 初めて聞く内容で知らなくて勉強になりました。
しかし、そんな言葉にとてもこだわりを持たれている 熊澤さんが、例えば「と金」を金を極端に崩した 極草書体と表現されていることに驚きました。
隷書を速く書くようになって、字画の省略が行われ 草書が誕生した。 草書は「早く書いた書」が元々の語源であり、 次々と文字の繋がった書体のことではない。 隷書を速く書けるように草書や行書が生まれ 最後に楷書が出来た。 楷書の歴史が一番浅い。 楷書の崩しが行書で、さらに行書を崩したものが 草書では決して無い。 篆書、隷書は石に刻まれ、草書、行書は紙に書かれた。 その流れが合流して石に刻るにも 紙に書くにも似合う楷書という書体が生まれたわけである。
↑ 熊澤先生に書について勉強しなさいとアドバイスされて 自分なりに勉強した内容の一部。
将棋の歴史を探求する書籍でも私が読んだ限りでは 駒裏の草書は楷書の「崩し字」と説明されたものばかりです。 崩し字辞典なんてものまでありますし、 どうして「崩し字」なんて書の時代考証的におかしな 表現が生まれたのかが不思議でなりません。 古文を読む限りでも、当時の人たちも 楷書の崩し字が草書と認識してはいなさそうに思えるのですが、どうなのでしょうか?」
 
ここで触れておられる「玉将と王将の問題提起」とは、玉将と王将の格についての問題提起で、「上手が王将の駒を持つ」のが、現在一般的な慣習とされていることへの異論についてです。
 
玉と王の意味について、果たしてどちらが各上なのかということを考えると、玉が上であることは明白です。
つまり、わが国では、玉座や玉体という言葉があるように、「玉」は唯一無二の天皇のことを示す言葉なのです。対して「王」は古来、地方の豪族の長を含め、天皇の弟子に対する言葉であり、どの時代でも、王は多いときなどは複数人にとどまらず、何十人も存在しているのです。
駒の「玉将と王将」に関しても、歴史的に見れば元々は双方とも「玉将」であったわけで、「王将」の駒は近世の江戸時代に生まれたいわば新参者の駒であり、その名残りが「双玉の駒」であります。
 
現今の「上位者が王将を持つ」という慣習は、なぜそうなったのかは分かりませんが、そう古いものではなく、おそらく明治か大正あたりではないでしょうか。
このあたり、詳しい方がいらっしゃれば、教唆いただければ、大変嬉しく。
 
以上。
 
コメント (1)
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