熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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砥石が大切

2022-08-24 20:18:28 | 文章

8月24日(水)、曇り。

「木地揃え」をしていると、電話がありました。
「最近、駒づくりを始めた者ですが、難しいですね。上手く彫れません」とのことでした。
聞けば奈良の方で、ツゲ木地に字母紙を貼って彫刻刀で彫り始めたところ、上手く彫れないということです。
「上手く彫れない原因の99パーセントは、彫刻刀の砥ぎにあります。彫刻刀は、どんなものをお使いですか? これまでに、彫刻刀で版画や細工物をしたことはありますか?」。
「いや初めてです」。
「そうですか。彫刻刀の刃が切れるように砥げていないからだと思いますよ。 砥ぎに慣れている大工さんとか魚屋さん、床屋さんなどは駒づくりも最初から上手に駒を彫れられます」。
「刃物はしっかり砥いでいます。鉄工所をしているので、刃物は昔から自分で研いできました」。
「そうですか。でも砥いでいるのは木工用にではないのですね。砥石はどのようなものを使っていますか?」。
「グラインダーです」。

「グラインダーですか。グラインダー砥石の粒度は80番とか100番が普通ですよね」。
「ハイそうです」。

「それでは刃は付きません。そのグラインダーでは刃の形を作っているだけで、切れる刃は、砥石が重要です。粗砥石で400番とか600番、仕上げ砥石なら1500番とか2000番以上。本当は天然砥石が最上です。刃が無くて鉄は切れても、木(ツゲ)はよく切れる刃がついていなければ削れません。近くに、刃物屋さんがあれば、砥石の使い方を教えてもらってください」。

こんなやり取りでしたが、果たして、納得されたのかどうか。

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