熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

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作品 文章 写真 販売品

今泉忠芳さんの本

2023-02-15 17:35:46 | 文章

2月15日(水)、曇りがち。
今日は寒さがもどって、一時、雪がちらつきました。

本日、今泉忠芳さんから「本」が届きました。
タイトルは「日本将棋の起源集成」とあります。
今泉さんの本職はお医者さんですが、将棋の歴史についても深く探求されておられて、本は、1995年から10数年間、「将棋ペン倶楽部機関誌」に研究成果を出稿されていて、そのおよそ150ページをまとめたものです。

早速ザーッと通読しました。
幅広い史資料から、将棋の歴史に関するものを取りあげて論考された労作です。

例えば、出土駒に関しては、山形県酒田市から出土した「兵」の酒田駒について数ページ。その画像は表紙にも出ているモノですが、それが現存する最古の駒として取り上げており、私も同様に思っております。

と言いますのは、多くの方はおそらく、奈良から出土した「興福寺駒」が最古の駒だと学習しているのではないかと思います。しかし私は、それは間違いだと考えているのです。

すなわち、「興福寺駒」は天喜6年でしたか、11世紀の駒であり、対して「酒田J駒の兵」の駒は、9世紀に作られて11世紀初期まで存在した城輪ノ柵(キノワノサク)遺跡から出土しているモノです。しかし、酒田駒は1枚のみで、興福寺駒のように年代を特定できる副出土品もないので、やや押しに欠けるのです。

一方、興福寺駒(17枚、プラス数枚)は、奈良の橿原考古学研究所による将棋に関心が深い人の発掘であり、しかも副出土品による裏付けある駒としての主張と論考にも強みがあって、これを「最古の駒」としての主張を押し出すことで、それを正しいと思い込む人たちが多いのも事実なのですが、私はかねてから大いなる疑問符を持っております。

話が長くなりました。

今日はこの辺りで終わりにしますが、将棋に関する事柄で、この世の中、結構、間違っていることも多いというのが、私の感想で、今回はその一端ではあります。
興味がお有りの方、この本をご覧いただいてはと存じますが、問い合わせ先は、著者ご本人か、将棋ペンクラブ事務局にお問い合わせください。

コメント (3)
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