S市で教員をしている知人が鮎を届けてくれた。天候不順で今年は不漁だと言うが、それでも形の揃ったものが１０匹、芳しい香りを放っている。彼は、ごぜ作家として知られている画家斉藤眞一の大ファン。将来「斉藤眞一美術館」を造るために作品を集めている。手紙やポスターや出版物など斉藤眞一に関わるものは何でも集める。半年に一度、僕のところにやって来ては２時間ほどお喋りしていく。話題は斉藤眞一ばかり。やがて彼が定年退職して、那珂川沿いに小さな美術館ができるのを僕も夢見ている。
あゆ供養骨湯の骨をしゃぶりゐて 康之