「カンツオーネを聞きながら料理を楽しもう」
第二弾に参加した。
テノール歌手が前日から準備してくれたイタリア料理。
オードブルは鮭の燻製。
近くの農園から集めてきたリンゴの枝をチップとしたもので
口に含むと鼻腔でほんのりとりんごが薫る。
一本のままの最高級パルマハムを眼の前で切り分けてくれる。
その薄い生ハムにクレソンを包んで戴くと
苦味と良質の脂のあまみが見事にからみ合う。
同じ皿に黒トリフ入りチキンのパティは
焼きたての白パンに付けて戴く。
メーンデッシュはポルチーニ入り牛肉のシチュウ。
ひかえめなソースに手折りのパスタをからめて戴くと
赤ワインとパルメザンチーズの香りが芳ばしい。
デザートはアイスクリームの上から
熱いカプチーノを廻しかけたもの。
冷たさと熱さとが舌の上で絶妙なコントラストをかもしだす。
一時間半ほどのフルコースが済むと
テノール歌手は急ぎ調理服をスーツに着替えて
場面はコンサートに変わる。
件の友人宅では調理場が狭いため
会場は新築したばかりの生活改善センターを借用した。
いささかミスマッチの感はあるが
テノール歌手が自ら料理したものを
そのまま戴けるという贅沢を
25名の参加者全員が充分に堪能できた。
日向ぼこ六腑に光みなぎらふ やす