ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ハレルヤ

2007-12-16 12:53:49 | 日記・エッセイ・コラム

きょうは短い詩を思いつくままに書き綴ってみました。  

       

       ハレルヤ

     あなたの誕生日を

     世界が

     こんなに祝っているというのに

     あなたはちっともその姿を見せない

        破壊

     おんなの指示のもと

     庭師が枝を切っている

     見上げるだけのぼくの足元では

     切り落とされたものたちが

     強いにおいを放っている

     凍蝶

     石の上で

     羽根をたたんだそのとき

     いのちは

     あきらかに死にはじめている

        いじめ

     モグラを放り上げては

     戯れている猫

     ぐったりと

     モグラが動かなくなると

     猫はその場を離れていく

        慈善鍋

     ほんとうに届くだろうか

          ----そんな風に考えてはいけない

          はじめの気持ちをそのまま

          表わせばいい

        起源

     人間は神を知ったときから

     殺し合いが始まった

     自分がいちばん神に近いと

     思い込んで

        涙

     98パーセントの水と

     少量のたんぱく質・食塩・リン酸塩のしずく

     極めて伝染性が強い

        シクラメン

     咲き誇る王妃のもとで

     こうべを垂れる官女たち

     やがていくつかの夜が過ぎて

     王妃が崩れ始めると

     一つ又ひとつ

     官女の中から

     あたらしい王妃が

     起ちあらわれる