きょうは短い詩を思いつくままに書き綴ってみました。
ハレルヤ
あなたの誕生日を
世界が
こんなに祝っているというのに
あなたはちっともその姿を見せない
破壊
おんなの指示のもと
庭師が枝を切っている
見上げるだけのぼくの足元では
切り落とされたものたちが
強いにおいを放っている
凍蝶
石の上で
羽根をたたんだそのとき
いのちは
あきらかに死にはじめている
いじめ
モグラを放り上げては
戯れている猫
ぐったりと
モグラが動かなくなると
猫はその場を離れていく
慈善鍋
ほんとうに届くだろうか
----そんな風に考えてはいけない
はじめの気持ちをそのまま
表わせばいい
起源
人間は神を知ったときから
殺し合いが始まった
自分がいちばん神に近いと
思い込んで
涙
98パーセントの水と
少量のたんぱく質・食塩・リン酸塩のしずく
極めて伝染性が強い
シクラメン
咲き誇る王妃のもとで
こうべを垂れる官女たち
やがていくつかの夜が過ぎて
王妃が崩れ始めると
一つ又ひとつ
官女の中から
あたらしい王妃が
起ちあらわれる