〈 何だ、こりゃあ! 〉
初めて目にしたとき、そう声を上げた。
~~~~後期高齢者~~~~~
これほど無神経でインテリジェンスのない名称は初めてである。
こんなネーミングを考えたのは一体、何処のどいつだ!
承認の署名をして発行させたのはだれだ!
後期というからには当然、前期がある。
65歳になったとたんに高齢者としての烙印を押され
むりやり仕分けされて、後期の次は何と呼ぶつもりか。
鶏じゃあるまいし、75歳になったら廃鶏ですか!
言葉には言霊(コトダマ)が内在していて
にんげんの感情に深く作用し
言葉の持つイメージに見合った行為が喚起される。
嬉しくなったり、悲しくなったり、悔しくなったりするのも
それぞれの言葉による影響である。
言葉は大事、殊に日本語は世界一、繊細でうつくしい!
すばらしい言語が沢山あるのに、よりにもよってこんな・・・・!
言葉は用いるそのひとの人格が表われる。
霞ヶ関の奥まった部屋で、にんげんを線引きし
( ここからさきは、もう終りだよ ) と言わんばかりの冷淡さ。
偏差値とウオークマンによって造られた新人類には
人情の機微にふれることなど所詮不可能なことなのだろうが
こういう人種に国の方向が左右されていると思うと
背筋にゾッと寒気を覚える。
まるでナチスのやった「選別」と変わりないではないか、実に不快だ!
老人よ、声を荒げてもっと怒れ!
老人のストライキやデモがあってもいいじゃないか!
春爛漫さくらてふ町とほりけり やす