ひとはミステリアスなものに惹かれるもので
はじめから正体が判っていたら興味は半減してしまう。
モナリザが五百年もの間、ひとを魅了しつづけるのも
あの微笑にミステリアスなものを感じるからである。
このごろ売出してきた女優の蒼井優・・・・・
彼女もまたミステリアスなムードを持っている。
貞淑で謙虚な昭和初期の女性像と
手品箱のように何がとびだすか予測のつかない奔放さを
兼ね備えており
なにやらとても懐かしい想いがする。
女優やタレントに特別の感情を抱くことはないが
蒼井優にかぎっては、これまでとはちょっと想いが異なり
あの微笑が映像を超えて、ひしひしと胸の奥に入り込んでくる。
何かふしぎな感慨がぼくの中に湧いて来る。
あのヨンサマ現象と同じとは思いたくないが
やはりひとにはそう言われてしまうだろうか・・・・・
彼女はことさら美人というほどでもなく
また、目をみはるほどの演技力の持主とも思えない。
なのにあれほどの不思議な雰囲気は
蒼井優・・・・人間そのものの魅力であろう。
「おせん」というドラマで老舗料亭の女将を演じているが
ちなみに「おせん」とは、
ぼくが12歳のときに亡くなった母の名でもある。
毎週火曜日の夜、おせんさんに会えるのが楽しみである。
春愁し茶柱のこと言はずをく やす