ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

癒されて日々

2008-10-11 19:03:40 | 日記・エッセイ・コラム

秋深みゆく草むらの闇に耳を澄ますと
騒々しいアオマツムシの陰でスズムシが鳴いている。
闇の奥のずっと奥、結界を超えて聞こえてくる
幽けき鈴の音色・・・・・

今宵は十三夜。
後の月、名残の月、豆名月、栗名月とも呼ばれ
辺りの風物もどこかものさびしく
十五夜のような華やかさはないが
名月を賞するに又格別の趣がある。

さきの十五夜は無月であったが今宵は晴天。
早くから向かいの公民館に灯がともり
ぼうじぼ打ちの子どもたちが集まってきている。

三日ほど前から仔猫が一匹住み着いている。
さほどに人を怖がらないところをみると
生まれつきのノラではなさそうだ。
棄てられたか、あるいは迷い込んだか
十月にちなんでカンナと命名。

年長組のジージがよく面倒みているのですっかり安心して
食事のときは真っ先に勝手口に駆け寄ってくる。
他の猫たちも相手が子どもなのでいじめたりはしない。
自分たちはカンナの後に行儀よく並んで待つ。
彼女たちのそうした日々一つ一つの仕草に
内田百聞の「ノラや」のことや
ミュージカル「CATS」などが懐かしく想い出され
ほのぼのと癒されることが多い。

    
湯屋暗くして名残の月を浴びゐたる