詩誌『馴鹿』の新年会があった。
1時間弱、「詩人と宇宙」という茫漠なテーマで卓話したが
新会員も参加してくれて愉快な半日を過ごした。
夜、N響アワーで楽劇「トリスタンとイゾルデ」を聴く。
ワーグナーの指揮では第一人者のイルジー・コウト。
前奏曲は重苦しく
禁断の愛の鬱屈した様子がいらいらするほどつづくが
第二幕になると
ああ、私のトリスタン!
おお、ぼくのイゾルデ!
歓喜と恍惚の愛の二重唱が華麗に炸裂する。
嫉妬深く意地悪な偽りの昼よ
消え去れ!
聖なる夜は唯一つ
愛のよろこびが微笑みかける
聖なる夜よ
私たちをこの世から解き放っておくれ
永遠に一つになり
目覚めることなく愛に包まれ
ただ愛にのみ生きるため!
遙かのむかし
こんな風に不安とよろこびの日々に包まれていた自分が
あったような、なかったような・・・・・・
冬の夜のひととき、
青春の残像に小さく炎が燃え上がるのを覚える。
それにしても、リンダ・ワトソンの熱唱がすばらしかった!
木々の間を夢紡ぎゐる冬の月