2020/01/05
2019年に読んだ本の続きです。(1)はこちら ↓
https://blog.goo.ne.jp/yoshieri/e/664e2abd6c6f2c5d095d56fdaf4c041d
6. 『美智子皇后の真実』工藤美代子 幻冬舎 平成29年発行
三島が自決してしばらくしたある日のこと。同じ馬込町内に住む女優で演出家の長岡輝子が、三島の母・倭文重を訪ねた。その時のやりとりを直接長岡から聞いた高橋英郎(演劇・音楽評論家)の話。
「あの子(三島)にはふたつだけかなわなかったことがあります。ひとつはノーベル賞をもらえなかったことです。それと、もうひとつは結婚問題です。本命の人と結婚できなかったんです。お見合をして不成立の縁談で、唯一、心残りの方がありました」
「それはどなた?」
「正田美智子さんです。」倭文重の顔は紅潮していた。
「のちに皇太子妃となられて、時とともに公威の意中の人として消えがたくなっていったようです。もし美智子さんと出会っていなければ『豊饒の海』は書かなかったでしょうし、自決することもなかったでしょう」(『三島あるいは優雅なる復讐』より)
三島は才媛の見合い相手を求めていた。高橋英郎によるともっと詳しい。昭和33年2月、釣書にひかれ、歌舞伎座の隣席を用意する。淡い水色に花柄を添えた春らしい和服姿の美智子さんが現れた。目利きの三島が目を奪われたことは確かだと高橋は書く。
正田家関係者によると、三島由紀夫とお見合いの事実はない。
お見合いは、彼の想像の世界のことではないかと思います。
銀座6丁目の割烹「井上」の女将・故井上つるゑさん「三島さんと美智子様はウチの2階でお見合いしたんだよ」と本誌に語っていた。(『週刊新潮』平成21年4月2日号) (P84~P88)
7.『動的平衡』 福岡伸一 木楽舎 2017/12/1発行
心がけているのはプロセスを語ること。
インターネットにはプロセスが欠けている。その答えに到達するまでの時間の経過が欠けている。
「教養」と「物知り」の違い。教養とは知識が時間軸に沿って、その人の体験の中にきちんと組織化されていること。一方物知りはネットのアーカイブのような、知識の羅列でしかない。
8.『日本型組織の病を考える』 村木厚子 角川新書 2018年8月発行
刑務所にいる人たちの実像は、私たちの持つイメージとはかなり違っているように感じます。誰かにだまされたり、虐待の被害に遭ったりして、結果的に罪を犯してしまった人も少なくありません。
現実社会の中で生きづらさを抱えた人たちが、自分の弱さもあって逃げ込んだ場所が刑務所ではないかと思うようになりました。
新規受刑者の1/4~1/5に知的障害の可能性があると言われています。男性女性とも新規受刑者の4割近くが中卒以下で、高校中退も少なくない。2014年の法務省の調査では、2012年1~9月に刑務所に入った知的障碍者の6割以上が再犯です。福祉に結び付いていないので困窮して犯罪を繰り返す。社会のルールがわからないために、繰り返してしまう人もいます。
9.『サピエンス全史をどう読むか サピエンス全史を楽しむためのガイドブック』 河出書房新社 2017年11発行
池上彰氏との対談
ハラリ氏「歴史とは哲学の実験室だと考えている。この本におけるもっとも重要な問いかけのひとつは、幸福をめぐる哲学的な問い。歴史が進むにつれて、人間はより幸福になったのか? 2万年前よりも幸福になったのか。
人間は力は持ったが、幸福は軽く扱われてきた。歴史書の多くは権力の問題にだけ焦点が当てられてきた。幸福から見るという視点がなかった。力とは必ずしもより良い世界を作るものでも人々をより幸せにするものではない。」
10.『浅田真央は何と戦ってきたのか フィギュアの闇は光を畏れた』 真嶋夏歩 ワニブックス 2018年12月発行
機械導入が不可能なわけはスケーター自身が真実を知っている。
ジャッジは各国連盟の意志を反映する。ISUからジャッジに報酬を出して各国の連盟から独立させ、プロのジャッジを要請したらどうかという提案がなされたことがあったが、いまだに実現する見通しはない。
ISUルール123条4項「フィギュアスケートの試合では、選手やコーチ、各国連盟を含んだすべての関係者は、ジャッジによる判定結果について、いかなる抗議も認められない」 認められるのは数値計算上の誤りについてのみ。
「要素の認定やレベル認定、回転不足、エッジエラー等の誤り」について、選手は抗議はおろか、問題提起する手段ももってはいない。
オーサーに「いずれは日本のトップ選手のコーチをお願いします」と依頼し始めたのは2009年2月ころ。最初、高橋大輔にオーサーコーチにつくことを勧めていたが、Noだった。
2012年、羽生のオーサー師事が決まった時、阿部奈々美コーチはインターネットニュースで知った。(「フィギュアスケートマガジン2016~2017 プレシーズン」より「尽きせぬ思い」エッジシャープナー・吉田年伸」(P175)
(私の感想)書かれている様々なこと、ソースもあるので嘘とも思われない。ネットのように個人が匿名で気軽に書くのと違って、編集者の目を通し、名前(ペンネームかも)を出しているので責任を引き受けているといえましょう。
11.『安倍晋三大研究』 望月衣塑子&特別取材班 BBベストセラーズ 佐々木芳郎 画・ぼうごなつこ
加藤厚労大臣の追及のかわし方
ごはん論法・・・・・視点をずらす
Q「朝ごはん」は食べなかったんですか」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っている)」
Q「何も食べなかったんですね」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので…」
Q「では何か食べたんですか?」
A「お尋ねの趣旨が必ずしもわかりませんが、一般論で申し上げますと、朝食を採る、というのは健康のために大切であります」
Q「いや、一般論を伺っているじゃないんです。あなたが昨日、朝ご飯を食べたかどうかが問題なんですよ」
(上西充子法政大学教授のツィッターより)
質問の主旨を曖昧にして煙に巻く方法 ←何か隠したいことを持っているなと考える必要あり。
(私の感想)ごはん論法という言葉を知りました。こんな答弁、国会でしているなあと感じますね。
今回はここまで。