
コロナ禍で少し遅れて開幕した水戸の梅まつり、会場の偕楽園と弘道館の梅林はほぼ満開になりました!冬を越していつものように明るい花を咲かせている梅が、今年は特にまぶしく感じられます。

ミスター偕楽園とよばれるYさんの情報で初お目見えの「家康梅」を撮りました。李系紅材性八重、徳川家康が11番目の男子、後の水戸藩初代藩主頼房の誕生を祝い駿府城に自ら植樹したとされ、その後久能山東照宮に植えられたと伝わる梅です。

「大輪緑咢」は咢が緑色で付いた名前、青白色の八重の花弁が青空に透き通るようです。

名札は「緋桜」と付いていますが、桜と紛らわしいので「緋桜梅」のほうがいいとネットに出ていました。
確かに豪華な八重桜のイメージのある大輪です。

偕楽園に初お目見えした「華農玉蝶台閣」が咲いたという情報で翌日出かけたら、その朝の強霜で花弁が黄色く変色していました、残念。
「台閣」とは花の中にまた小さな花が咲く二段咲のことで、図鑑では「雌蕊が台閣状になる」と出ています。左側の花の真ん中に小さい蕾状のものが見えます。

「八重唐梅」は李系紅材性、花弁の縁が白くなる「覆輪」という性質と下を向く咲き方が優雅です。

一重の「唐梅」も咲いていました。どちらかというと、一重の花が好きですが、唐梅に限っては八重の艶やかさに軍配を上げたい気もします。

偕楽園でも最小の花「米良」、形のいい花がびっしり咲くので江戸時代から盆栽などに好まれてきました。野梅系の結実品種です。

「紅難波」は李系難波性の代表的品種です。上部の二輪に雄しべが花弁に変わる「旗弁」現象が見えます。

その「旗弁」から名前が付いた「紅千鳥」は、旗弁を千鳥が飛んでいるようだと見立てた命名ですが、松崎睦生著「水戸の梅と弘道館」には千鳥足のように乱れた花の形状からと載っていました。

名前は「養老」でも野梅系の実梅で、1個の重さ約25gの良果が生ります。

こちらも「翁」という名前ですが、野梅系の実梅で良果が結実します。

実梅といえば「南高梅」、明治時代に大きい梅の生る樹を見つけた高田貞楠氏と、それを優良品種として1951年に世に出した南部高校の校名に因んで名づけられました。

「底紅」という花の真ん中に薄紅色が出る「鈴鹿の関」は、人気の花です。仙人もかって盆栽で購入したことがありますが、夏の水やりの手を抜き、枯らしてしまいました。

背の高い「駒止」の一枝が垂れていたので撮れました。菅原道真を追って京都から大宰府まで飛んでいったという伝説の「飛梅」の子孫で、肥後の国の殿様があまりの美しさに馬を止めて見入ったという「肥後駒止」という紅梅があるそうですが、同じような名前の由来かもしれません。
今年も感染防止を心がけながらの観梅になってしまいましたが、いろんな梅の花を名札で探しながら満開の春をぜひお楽しみください。