昨年もコロナ禍中の菜の花摘みでしたが、まさか今年も!とは思っていませんでした。
この周辺の川はどこでも菜の花の群生がみられます。今年出かけた那珂川一帯は、2年前10月の台風19号で大きな洪水被害を受けましたが、今は穏やかな春の川の表情をしています。

いまだに木に掛かっている漂流物が増水の目印になっています。
この辺は那珂川堤防の決壊はなかったものの、流入する支流が溢れ、浸水の大きな被害がありました。

那珂川は栃木県の茶臼岳、朝日岳西麓で生まれ、那須高原から那須塩原市をはじめ栃木県内のいくつかの市町村を貫き、茂木町から茨城県常陸大宮市に入り、茨城県を貫流してひたちなか市那珂湊と大洗町を分けて鹿島灘へ注ぐ。余笹川、箒川、荒川、緒川などを支流に持ち、全長150キロ、流域面積3270平方キロメートルに及びます。(東敏雄、栗村芳實編「北関東川紀行」)
同書によると、那珂川は関東平野では利根川に次ぐ長さにもかかわらず、人工の堤防やダムが少ないため、大都市付近では珍しく上流から河口まで清い流れを保ち、アユの天然遡上も多く大都市近郊で自然の姿を多く残している大河であると出ています。

さて「菜の花」は、春に咲くアブラナ科の黄色い花の総称で、河原などで見られるのは、西洋アブラナや西洋カラシナが交雑を繰り返して野生化した品種といわれています。
塩漬けのレシピをネットで探して挑戦…、湯通しした菜の花に塩4%、細切りした昆布、鷹の爪少々を混ぜてよく揉み、ジップロック袋に入れて冷蔵庫で一晩おくと、シャキシャキ感と春の色の残る一品に仕上がりました。

たくさん採れたので、近所にもおすそ分けして、やはり野生のものは苦みがあっておいしいとの反響をいただきました。
台風や地震、津波などの自然災害に完全に打ち勝つことはできませんが、疫病はその都度抑え込んできた歴史があります。今回の新型コロナとの戦いも、ワクチン接種も始まり光が見えてきたような気もしますので、来年こそほぼ収束状態での春を期待したいと思います。
余生とは菜の花に手がとどくなり 中尾寿美子
菜の花といふ平凡を愛しけり 富安風生
夕暮の菜の花色となつてゆく 唐笠何蝶