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古着や使い古したものを素材にし、そこに宿る時間と記憶を造形化する作品で知られる、西成田洋子さんの個展が水戸の常陽藝文センターで開かれています。
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藝文プラザの会場には大きな立体作品4点と平面作品2点が展示されています。
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現代美術はわからないという人がほとんどで、仙人もその一人ですが、「現代美術は鑑賞者と作者との対話」で、作者が問いかけ鑑賞者が何かを感じてもらえることで完結するそうなので、圧倒的な存在感のある作品を前にして、それぞれ自分なりに何かを感じればそれでいいのでしょうか。
無題 2019年 130.3×193
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展覧会パンフレットより抜粋です。
水戸市生まれの西成田洋子さんは、最初はデザインを学びましたが、制作時に絵の具を盛り上げるなど三次元への志向が強いことに気づき、身の回りの衣類や日用品など様々な素材を用いて立体作品を制作し始めます。金属や廃材などを取り入れた大型作品で注目を浴びた時代もありましたが、文化庁海外派遣によるニューヨーク滞在制作を経て再び古着や身の回りの品々を素材にすることに戻りました。
コルセット 2020年 133×150×176
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西成田さんは漠然とした構想だけであとは手の赴くままにこれらの素材を切断したり縛ったりして形を作っていきます。使い古されたこれらの素材に宿っている記憶が彼女自身の記憶を呼び起こし、その手を自由に動かします。柔らかく手に馴染む古布は、糸で縫い縮められ赤や茶色に着色されますが、繊維の質感は生々しく残ります。重苦しく凝縮された結果、立ち現れた形は深淵を覗き見るような穴を持つ記憶の集積物となり、観る者の心の奥底にある記憶や閉ざされていた感情を揺さぶり起こすのです。
記憶の声 2019年 146×170×163
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藝文ギャラリーの会場には小品と、いろんな色の紙で作られた立体ドローイングが壁に留めてありました。
小品の一部を紹介いたします。どうぞ作品との対話をお試みください。
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記憶を連れて2018 2018年 42×25×75
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Realm of memory 2015年 27×20×36
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記憶の領域 N.Y
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夜に歩く 2018年 33×37×23
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記憶の芽 2019年 36×32×37
第1会場●藝文ギャラリー
前期/2021年12月1日~12月26日 後期/2022年1月5日~1月30日
第2会場●藝文プラザ 2021年12月10日~2022年1月30日
AM10:00~PM5:45 水戸市三の丸1丁目 (入場無料)
すいません、今頃、記事掲載拝見しました。ありがとうございます。感激です。わくわくしながら読ませて頂きました。PCは復活されたのでしょうか?今年は秋にまた雨引の里と彫刻があります。後日、案内させて頂きます。よろしくお願い致します。西成田
月日の経つのは早いですねぇ、昔のことのようになりますが、全国版の読売俳壇、歌壇での最近の元ひめくり同人の掲載作品をご紹介いたします。
「手の届くかぎり物なし午睡かな 多忙」「二枚目のゲルニカを描かないだろうピカソの祈りひとつのはずだ 魚一」
私はとんとご無沙汰です。