大判カメラ日記。

ワイズクリエイト オフィス・木戸嘉一のブログです。

大判カメラの形の修正アオリ。

2010年09月25日 | 撮影
今回は形の修正アオリです。このアオリは主に商品撮影や建築撮影で使用される事が多いアオリ技術です。自動車や高層マンションのカタログを見ると自動車は見た目よりワイドに、マンションはより高く表現されていますがこれらは皆アオリを使っている結果なのです。よく「風景写真には形の修正アオリなんていらないよ」と言う方が多い様ですが、実際にはアオリを使用したものと使用していない作品は違います。ただ風景写真は自動車や建築物と違って被写体が「森や山」等で形を比較する場合解りづらいのがこれらの声の元になっている様でもあります。ただ高い山や巨木を撮影して現像が上がっていざ作品を見ると「思ったより高くないな?」等との記憶は無いでしょうか?この原因は被写体に対してカメラが平行の位置に構え、少しでも上を向いていたならば写した作品は《先すぼまり》になってしまうからです(切り株撮影などでカメラが下を向いていれば頭でっかちになります)。今回の栂池撮影会で作品を意識する参加者の皆さんは見向きもしない写真ではありますが、写真上はカメラが若干上を向いた状態で山と森を入れた写真です。この状態で「何も感じないカメラマン」は形の修正アオリなど必要ないと思います。ただ「ちょっと高さがおかしいな?」と思った方は、写真下の様にバック部とレンズ部のチルトアオリを使用し山と木々の形を修正してみて下さい。よく見比べるとどちらが『高さが表現されている写真』かお解りになると思います。これが風景写真で高さを(形を)修正するアオリなのです。ほんのちょっとの操作(アオリ)ですが是非一度試して下さい。そして納得したら形の修正アオリを使用して、納得できなかったら普通の状態で撮影して下さい。基本的に皆さんの大判カメラでの撮影は《趣味》なのですから、自分が納得して撮影をお楽しみ下さい。(※クライアントから依頼された大判カメラ撮影は違いますよ)2日にわたっての宣伝となりますが大判カメラの撮影やアオリに対して興味のある方は「大判カメラマニュアル(3000円)」を購入下さい。自信を持ってお薦めしますから。(言い忘れましたが上下の写真ともカメラ、レンズ、カメラポジションは全て同じです。本当にアオリをかけただけです。インディアン嘘言わない※古い!)