裏ユキヒロック

ロックとバイクとラーメンが大好きだ。

エビスサーキット200Km耐久レース レポート 4

2006年06月16日 | ひとりごと・日記
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バイク乗りの宴
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その後、もうひとつレースがあって表彰式は5時頃ということで、
隣接の食堂で遅い昼飯をみんなで食って、
せっかくだから
「ホワイトタイガーを見ようぜ!」と、テツたちと一緒にはじめ号で
車内からホワイトタイガー&ライオンや白いふくろう、
白いきつね、白い狸等を観察。

観察と言っても、ホワイトタイガーに向って、
車のヘッドライトでパッシングして挑発したり、
クラクション鳴らしたりして遊ぶ。

てか、どこまでも子供みたいなファンキーな人達でいいなー(笑)

少し前に「モロ」写真を展示してて、
警察にお世話になったという事で話題になった「秘宝館」は閉鎖していた。
その真っ赤な洞窟風の建物も異常だが、
併設してる場末感漂いまくりの時代錯誤なお土産屋さんとか、
何から何まで不思議な空間だ。

「桂 小枝 も 吃驚!」

その後、四輪のカーレースもやっていたので、
ちょっと見学に行ったりしたが、それでも時間を持て余し、
一同ワゴン車内で昼寝。

5時過ぎに表彰式。
雨のため室内だったので、TVでよく見る
例のシャンパンかけシーンは無かったけど、
互いの健闘を讃えながら、下は19歳~上は44歳まで様々な人達が、
実に良い笑顔を見せていた。

「この中からひとりくらいは、プロレーサーが出るのかな?」
なんて思って聞くと、なかなか厳しい世界だということを知る。

とにかく何から何まで「お金が掛る」スポーツなのである。
なので、意外とレースやってる若い人は少ない。
ある程度の経済力と自分の時間を持てる人間でないと実際は出来ない。
しかも、お金だけあっても、体力や気力がなければ続けられない。

ただ、それに見合う「何か」がある世界だ。

「命をかける」だけの面白さがあるのだろう。
その片鱗だけでも味わえて、僕はラッキーだったのだろう。
誘ってもらってほんとに楽しかったし、
なかなか経験できないことを体験できて良かった。

打上げは、他の関東のチーム達と一緒って事で、
福島の郡山の健康ランドで軽くすることに・・・。

その「軽~く」ってのが・・・一番 危ない(笑)

大抵、ちょっと一杯のつもりで飲んで~♪
いつの間にやらハシゴ酒~♪

お酒を飲む量が軽くなるのでなく、
サイフの方が軽くなること多いので気をつけよう!!

健康ランドは天然温泉で、透明で肌に良さそうなヌルヌルしたお湯で
思いの他、すんごく良かった。
今日は一日寒かったからなんとも有難い。染みる~!

絵に描いたようなステージ付きの和室・大宴会場で大宴会。

生ビールで乾杯後、焼酎水割りをチェイサーに冷酒を飲み始めるT村さん。
初対面なのに、初めて逢った気がしない。そういう・・・酒飲み・・大好き!
とにかく、口から出る言葉が全て「エロ関係」。
酒とつまみをオーダーする時だけが唯一真面目。
後はひたすらシモネタ、オール・ザット・シモネタ、
ア ロット オブ シモ。

「生命力=バイタリティー」

なんて言葉があるけど、
まさに「ザ・バイタリティー」生命力が服を着て歩いてるような感じ。
バイク乗ってる時とのギャップもセクシー。
俺、女だったら絶対に即お持ち帰りされてしまうだろうなー。
そんなT村さんに

「ちょっとYAZAWA 入ってますよねー?」と、

僕のフリにちゃんとモノマネで返してくれた。
(そんなシモネタばっかの永ちゃんいないよ~☆)

バイクの話は皆、やたら熱いしさ。

命がけで遊んでる人達ってのは、酒のみも豪快だし、
シーンとした誰も聞いていないダルい大宴会場で、
勝手にカラオケで盛り上がっちゃうし・・・

・・・ほんとこの人達ったら・・

とにかく 最高に面白い人たちってのは間違いない。

皆、何かしらを犠牲にして、個人でレースやってるから、
過酷な競争をしながらも、痛みや困った時に助けてもらった感謝とか
知ってるから、みんな優しいんだよね。

絆とか友情とかなんだか気恥ずかしいような安っぽい言葉以上に、
ほんとに「ライバル」であるけど同時に「仲間」でもあるんだろうな。
本当の強さを知ってるからこそ、他人に優しくできるんだと思った。
(誉めすぎかな~w)

エビスサーキット200Km耐久レース レポート 3

2006年06月16日 | ひとりごと・日記
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ロンドンコーリング(@THE CLASH)
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濃霧のため、予選走行が中止。
エントリー順にスタートすることとなった。

突如「おおおぉぉお~」どよめきが漏れる。

スタート前に、よくTVでみるような水着&パラソルの
「レースクイーン」が登場。
スタート前の緊張と合間って、やたらテンション上がりながら、
マシンを囲んで、一緒に記念撮影などを楽しむ。

「嗚呼、来て良かった」 しみじみ。(笑)

>一番は やっぱ そこかよ~♪

レースを手伝ってる女性達ってのも、戦場に咲く一輪の花のようで美しい。
スキー場でのゲレンデで見ると、誰でも綺麗に見えちゃう魔法に似ている。
意外とレースクイーンのような「綺麗どこ」ってのは少なく、
ちょっと庶民的な小柄な女性が多かった。
でも、ああいう場には、百合や薔薇みたいな可憐さより、
スミレのような逞しさの方が似合う気がした。

サーキットの狼(懐かしい)だったか、なんかの漫画でみたような
コース反対側から走ってバイクに乗り込むスタート方式。

「苦手なんだよね~」

と言ってたホテイ(=ヨシオ君)が先行ライダーだ。
どうも走るのが得意でないらしい。
「いちにーさん」「いちにーさん」
元ROCKERのくせして、走り出すスタートのタイミングとれないみたい。

が俄然 好スタートを切って、いきなり2位で好走。

実はこう見えても、(文字なんだから見えてないっつー)
ボロRTは昨年のこの大会で優勝している実力の持ち主。
ただ、耐久レースなので先はまだまだ長い。
何があっても不思議ではないのだ。

何周目かにピット前の直線後のコーナーで、黄色いマシンがクラッシュ。

「あ、立上った! 大丈夫、大丈夫」

イエローフラッグが振られる。(追い越し禁止状態となる)
事故を目の当たりにして少しビビった。

「どうか事故りませんように!!」
祈りながらサインボードを出す
手伝いをさせてもらったりしながら応援をする。

レースは更にヒートアップ。

依然、2位をキープするホテイ君。
霧も更に深まるばかり、違うチームもクラッシュ。
救急車もコースに入ってきた。
ちなみに、救急車がコースに入ってきた時は、
黒いブラック・フラッグが振られるのです。
(イエローフラッグと違い、追い越しは構わないらしい)

隣のピット77番のマシンが首位を走ってる。

ん・・・速い・・強い。

ラップは一周を1分4・5秒をキープし続けてるのだが、
相手は1・2秒づつ差をつけて行く。
だが、3位との差は1周近くあるので問題ない。

1位に追いつき追い越すだけだ。

・・・とここで、ボロ名監督が秘策を打ち出す。

レーサー交替をほとんどチームが半分、つまり50周でピットインして
交替するのだが、我がチームはその交替を遅らせて、
調子の良いホテイ君を多く走らせ続けて、少しでも差を縮める作戦に出た。

53周・・54周・・・55周・・・何処でピットインさせるか?

監督はそのタイミングを計った。

ホテイのタイムは落ちていない。疲れてる様子もない。大丈夫だ。
次でピットインさせ、ヤザワ氏と交替を決めた。

サインボードは「PPPP」(PIT IN)の指示を出し、
ヤザワさんもスタンバイOK。緊張感はピークに達する。

今か、今かと、待ち構えてると・・・

「おーーーーと、ゼッケン69番 クラッシュ!」

まさかのアナウンス。

「え~~~~~!?コケた?」

我がチームは「ロック=69」という縁起の良い
ゼッケンをつけていたボロRT。

ピットインを告げたラスト1周で、ホテイ号のクラッシュの一報。

皆、愕然とし事実確認へ。

タイムを計ってるはじめ君さえ、その場を離れた。

「終った~」

全てをあきらめかけていたその瞬間に

「ブオオオオオオーン」

緑のマシンが僕らのピットに飛び込んできた。

「ホテイ ご帰還!!!!!!!!だぁ~~~~!」

クラッシュしたというので、もう復帰できないくらいの絵が浮かんでいたが、
実際はコーナーを曲がりきれず、少しオーバーランをした形で、
倒れて擦ってはいるものの、本人もマシンにもさほど影響が少なかった。

ただ、泥だらけになったマシンとホテイ君の姿が痛々しい。

「悪りぃ~!!!」

悔しそうに興奮状態でヤザワ選手に告げて交替。

交替したヤザワ号が爆走する。

先行していた分と、立ち直りが早かったため、
辛うじて依然として2位をキープしていられた。
首位とは周回遅れで一周+30秒くらい差をつけられてしまった。

とにかく首位を追うヤザワ号。
ホテイ君とは違って、かなりワイルドな走りで、首位をロックオン。

実際は、3位との差が詰まっていてピット側では冷や冷やしていたが、
順調に好タイムをキープし続けて1位との差は詰まっていった。

いかにも雨の降り出しそうな天候。

ここで最後のチャンスがある。雨に滅法強いホテイ君。
雨が降り出せば大逆転の可能性大。

ふっと見ると、監督自らが懸命にクラッシュした、
ホテイ号を再度レースに出せるよう整え直してる。
いつヤザワ号にトラブルがでてもレースを続けられるように準備しているのだ。

「まだ負けていない・・・雨降ってくれー」

祈った瞬間にラストラン 終了。

結果としては、惜しくも2位。21台中の2位。

「素晴らしい!! そしてお疲れさま!!
すげーよ! あんたらすげーよ!」

涙が溢れ・・はしなかったけど、感動した。

マジに凄いよ。

ピットで最初から最後まで居れたから、少しでも何万分の一でも
「共感」が出来たのが楽しかった。

「いやー、バイクって本当に 素晴らしいですね。」

すっげーよ! ヤザワ氏! 
カッコよかったぜ!ホテイ君! 
そして ありがとう! レースクーン!!!
(ついつい本音が)

いや、違った・・ありがとう!ボロRT!!!!!!!

「みんな おつかレーション!!」

と言ったか言わないなとこでやっと雨が当った。
もう5分早ければなー。勝負ってのは時には残酷。

エビスサーキット200Km耐久レース レポート 2

2006年06月16日 | ひとりごと・日記
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YAZAWA AND HOTEI (IS CRAZY MOTORCYCLE RACER)
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東北サファリパークに到着。

実は数年前に家族旅行で来たことがあり、
2回目なのだが、相変わらずチープでいかにも
「ツクリモノ」な場所だ。

頂いていた入場チケットを出して、パークの中に進む。

途中、ホワイトタイガーやホワイトライオンの檻には一瞥もくれずに、
レース会場のサーキット場東コースへ。

「サーキットコースはこっちでいいの?」

「さー? きっと(サーキット)ね!」

みたいな~☆

ものすごい霧だった。
雲も厚く、いつ雨が降ってもおかしくない天気。
そしてなによりも「寒い」

6月も過ぎているのに5度くらいの体感温度。
雨というより「雪」が降ってもおかしくない状況。
車を降り「寒みーねー!」なんてピットに行くと、
まずは、轟くエンジンの爆音がお出迎え。

やたらとテンション上がる。

まるでロックの野外コンサートに来たようなワクワク感。
ただ、そこには詰まれた馬鹿デカイ アンプではなく、
2本のタイヤしかついてない鉄の塊から発せられるエンジン音のみ。

まるで血の通った生き物ように吠える。

オイルやガソリンの臭いは、どこかで忘れてしまった
獣の臭いがする。

横一列に並んだピットの中では、
忙しなく各チームが準備をしていた。
何気ない談笑や笑いの中にもピンと張り詰めた緊張感がある。
「霧の中の練習走行は危険だから中止した方が良いのでは?」
あちらこちらからチームのリーダー達の声があがる。

暫くすると、黄色いラインの入った青いツナギを着込んで、
同色の青いバイクにまたがったレーサーが、
深い霧の中からピットに戻ってきた。

「いやー、見えない、見えない。」

フルフェイスの虹色に輝くシールドを上げてると、
やたら眼光の鋭い、少し矢沢永吉似の男が
首を横に何度も振りながらバイクを降りる。

レースチームの監督であるボロ君に
「ボロ!あれがT村さん?」って、確認すると
「そうだよ」とあっさり答えられてしまった。


今回の主役であるバイクチーム
[ボロRT(レーシングチーム)ハインズワークス]の
レーサーであるT村さんだった。
噂ではT村さん、相当のエロ神様で、「際物」(失礼!)
と聞いていたのだが、案外、好青年で優しそうな雰囲気に戸惑う。
僕の中では「野獣」のようなイメージだったので、
肩透かしを食らった感じだが、意外と小柄なのに
バイクにまたがった瞬間はまさしく「野獣」になる。

KAWASAKIカラーの緑のマシンと背中に「ヤッターマン」シリーズの
豚もおだてりゃ木に登るの豚君を背負ったツナギを着た
もうひとりのレーサーであるヨシオ君とはだいぶ「車格」が違う。
もともと高校生の時に別のバンドでギター弾いてたヨシオ君は、
190センチ近くの長身で、僕の中ではちょっと人の良い
BOOWYの布袋さんというイメージだった。

遅れてきたテツ&カナちゃんカップル組も合流。
「寒みー、寒みー」と言いながらさっそくレース前にBEERで乾杯。
上着をボロから借りてなんとか凌ぐ。

僕は天然ラード100%の「脱げない肉襦袢」を着てるものの、
赤いウンドブレーカーを借りてTシャツの上に着込む。
やはり、山に行く時は使わなくても暖かいウエアーを用意してくるべきだった。
やっぱ「山 舐めんな!」でしたね。
次回は気をつけようっと。

今日のレースは、(僕の中での)
「ヤザワ&ホテイ」コンビによる200Kmの耐久レース。

一周が2キロの緩急の強いコーナーばかりのコースを2名が交替で100周する。
ひとり50周も走る計算だ。なんと2キロを1分で廻る。
ピット前は急な登りをウイリーしながら登ってきて、
時速200キロ以上の直線なので、ほんと一瞬で過ぎ去ってしまう。

♪写真には写らない~ ウ・ツ・ク・シサーが あ る か ら~♪

ブルハのリンダリンダではないが、
まじでデジカメでは撮影不可な速さなのである。

今日は21台で競う過酷なガチンコレース。

別のアングルからコーナーリングを見てみると、
膝を路面にこすって曲がる姿に感動した。

想像してみてもらいたい。

高速道路の車からドアを開けて、身を乗り出して、
自分の膝を路面につけるようなもんだ。
・・・しかも、シートベルトなんてないのだ。

よく約束事をする時に、
「命 掛ける?」なんて簡単に口にするが、
本当に「命懸け」ってのはどんな恐怖なのかってことを、
間近でみていてもビンビンと感じるのだ。

ただ、「命知らず」ではなく、
凄い技術と体力に伴った自信に溢れてる点が、
レーサーであり、スポーツなんだと実感した。

同じ人間とは思えない程の逞しさなのである。
ただそこには、肉体とは別に、それとは相反するような
「バイク」という文明技術の集大成である機械(マシン)が
介在してるってのが面白い。
バイク乗りは、気合だけでなく体力だけでなく
そういうメカニカルな一面もあり、

「知的でクレイジー」

そんな印象を受けた。