ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

原油価格動向と灯油戦略

2007年09月18日 10時56分42秒 | Weblog
春先に一部米国のシンクタンクが原油価格が90㌦になるかもしれないという見解を出していたので、その時点でこのブログに書いたら、一部の方からそんな馬鹿なという事で見解の相違の意見を頂戴しました。

ここ数日の原油価格動向は80㌦まで来ています。
冗談ではなく、原油90㌦時代が本当の話になってきたようです。

国内市場の業転市場の「場当たり的」な価格動向ばかりに振り回されていると、とんでもない事になりそうですね、今回だけは中長期的にみて「高止まり」の様相となるかも知れません。
確かに、上がったものは下がる局面もある訳ですが、当座の市況だけでなく国際商品である石油市況は周辺環境によって大きく変化する訳ですから、非常に難しい局面です。

特に、灯油は天候条件などに左右されやすい訳ですが、何せ中間溜分ですから周辺国家の消費拡大による輸出拡大などの要素もありまったく油断できない状況となっています。

灯油相場は「化け物」ですから、妙味がある半面リスクもあります。
市況を読みきってこそ大きな収益が出ます。

相場の事は誰にも判りません。
しかし、実需を持っているリテール業者にとっては唯一強みを発揮できるマーケットだとも言える訳ですから、灯油販売シェアの拡大は生き残りの必須条件ともなっています。

元売り販社や大手ディラーによる灯油戦略も今シーズンは例年よりも早めのスタートとなっています。特に広域ネットワーク販売や販売店などを含む業務集約化に力が入っています。

原油価格高騰とガソリンや軽油の税率が高いことなどで増加運転資金に対する対応も大変になることが予想されています。信金など地方金融機関の零細企業向け融資の不良債権が表面化して石油販売のリテール業界には資金繰りの課題が直撃するともいわれています。税金を仕入れて、税金を販売しているような業種ですからキャッシュフローから考慮しても灯油販売の有利性が浮き彫りになってきました。

今年の灯油マーケットには注目です。