ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

SSビジネスは振り回されずに、自己確立。

2012年07月25日 04時53分53秒 | Weblog

石油業界に「新仕切り価格体系」という価格設定メカニズムが取り入れられて約四年が経過しました。
基本的には、元売りから特約店に対する仕切り体系ということですが、
一時は、「新仕切り体型」にかこつけた「セミナー」などの開講などもありましたが、最近ではようやく事の本質がわかってきたようです。

特約店企業の価格設定は「仕入」とサブ店への「卸」の両面で、リアルタイムな価格設定を迫られており煩雑化しています。
サブ店では特約店からの「卸価格」に影響が及ぶわけですが、店頭販売価格は自主設定なのですから、特約店と販売店では対応業務の内容が異なります。

石油流通業界の「周辺ビジネス」も混迷状態だと思います。
これまでも色々な「油外収益」やら新たなビジネスモデルの提案がなされてきましたが、関連ビジネスとして安定し定着できるものが少ないですね。
やはり、SSとしての基本的な強みが発揮できる、異業種競合の少ない「洗車」などが中心となっています。
ガソリン減販が顕著となってきましたから今後も試行錯誤を重ねながら、新たなビジネスモデルの開発が進むことになるはずですが、
「格安レンタカー」ビジネスなども立地条件による地域格差が大きいようです。

SS経営者としては、人真似や、トレンドに流されずに
地域性や企業特性を生かした独自性のあるビジネスモデルの開発が大切だと思います。

新たな独自のビジネスモデルの開発には、時間もかかりますしリスクも伴いますが、
逆説的に言えば、立ち上げに労を要するビジネスはそれだけ他社で真似ができないということ。
簡単に始められるビジネスは、誰でもすぐに真似できて競争が激しくてビジネスの寿命も短いわけです。

自分で考えて、自分で工夫して新たなビジネスモデルを生み出すくらいのビジネス創造力が必要な時代です。
「頭で汗をかきましょう。」というわけです。

「ガソリンスタンド」という業態の原点は、FC(フランチャイズ)ビジネスでしたから、
永年にわたり、元売りによる施策やキャンペーンなどに慣らされ、自分で考えて行動するということに慣れていなかったわけです。
最初に「業転」を購入する時点の勇気は大変でしたが、最近の流れの中で「系列外取引」がここまで増えてくると時代の変化を感じます。

PB化した零細業者は、情報取得力に不安を感じており業転市況と首っ引きでパソコンとにらみ合い。
当面の「仕入調達価格」ばかりに目が行って、本来のビジネス創造力が欠落しているケースも見受けられます。
もちろん仕入調達価格は大切な要素なのですが、
すでに近視眼的な利ザヤ取りだけで継続できるほど甘い経営環境にはないはずです。

SS数の減少が進むはずですね。

経営者としての本質を見失うと、とんでもないことになります。
自分の企業の足元と石油ビジネスの本質をもう一度見つめなおして、
コアな部分を大切にすることが「勝ち残り」のポイントだと思うのですが・・、