見始めてすぐ、思わず身体を乗り出した。まるで、映画のシーンをみているような迫力。下の画面をクリックするか、(ココ)をクリックして見て下さい。
立憲民主党の辻本さんの40分に満たない国会質疑を、youtubeで見た。その質問の驚くほどの周到さ。次々と繰り出される質問が、グサリ、グサリと首相の胸に突き刺さり、首相の後ろで聞いていた閣僚たちの間にさざ波のように緊張感が広がっていったように思えた。
それは、最近流行っていると報道されて興味が沸いて読んだ「鬼滅の刃」の闘いのワンシーンのようだ。主人公は、(鬼も昔から鬼だった訳ではない)という敵にも心をかける優しさを持ち合わせている若者だ。
辻元氏は、菅首相の著書、インタビューなどから、(菅氏が自分と共通の意見をもって自民党内の改革を目指していた)ことに興味を覚えたようだ。「叩き上げ」を謳う菅首相への質疑の最初の方で、こう切り出した。
「私、以前からこれは聞いてみたいと思っていたことがあって・・・かつての総理が持論としてきたことです。私も同じ意見なんです!」と。
共通の意見とは、「世襲制限」のことだった。「世襲議員を許していけば、自民党に未来はない」と菅氏は若い時から熱心に 人々に改革の必要を伝え続けてきたようなのだ。
答弁で首相は、「世襲をしても、選挙区でまず予備投票してでるように(すでに改革)した」と、あたかも自分は思いをすでに実現したかのように答えた。でも、辻元氏は、その答えに満足せず、首相がかつて「3親等以内の親族を公認しないことを考えている。出たければ違う選挙区から出ればいい、と具体的に考えていた」といってきたことを披露した。親の地盤の選挙区で予備投票をしたとしても、世襲の改革にはならないだろう。だから、首相も違う選挙区で立つことを主張したのだ。つまり、本当の改革は、実現未だ遠しなのだ。
(世襲の割合も以前より減っているのではないか)との首相の発言にも、事実は(昔も今も、自民党の世襲の多さは4割と変わらない)と釘をさす。さらに、(今の菅内閣の閣僚20人中12人が世襲である)と、静かに刃の先を突きつける。今、思いを遂げることができる立場にいる首相は、最高位に立った今、改革をどうするのだろうか。
世襲の12人の閣僚。世間でも周知の麻生財務大臣・河野行革担当大臣・小泉環境大臣・梶山経産大臣・岸防衛大臣・小此木国家公安大臣の世襲議員というのは説明の必要がなさそうだ。でも、後は?ちょっと調べてみると・・・平井デジタル改革大臣(祖父)・田村厚生大臣(伯父)・武田総務大臣(伯父)・加藤官房長長官(義父)・西村経済財政大臣(義父)と分かった。普通の直系に限っている「世襲」に比べてキツい、首相自らが発言した「3親等以内の親族」に添ってカウントしているようだ。でも、あれっ?それでも11人しかいない。<私の調べが足りないで漏れていたとしたら、コメントでお知らせ下さい>。
ただ、この後、辻元氏は実は菅首相の父親も、(地元雄勝町の町会議員を長く務めた政治家だったんですよね)と確認した。
12人目は菅首相をカウントしたのかもしれない。探してみると、本人の「雪深い秋田の農家の長男として生まれ、地元で高校まで卒業いたしました。卒業後、すぐに農家を継ぐことに抵抗を感じ、就職のために東京に出てきました」という説明とは、やや違う、いちご栽培で成功をおさめた首相の父親が、町会議員を4期も務めた町の名士だった姿が説明されていた(ココ から)。ただ、辻元氏も(首相は、父親のいる地元の選挙区ではなく、別の選挙区で出ているので、「世襲」には当たらないかもしれない)と付け加えるのを忘れなかった。「違う選挙区で出る」は、自分がそうであったからこその発言だったのだろう。
<今は、世襲を是認しているが、あなたの若い時の思いは捨て去るのですか?首相の地位に上り詰めたものの、その時、初心を失って世襲まみれの政権を作っているのでは、あなたの人生はなんなのですか?>口にはださないが、そんな刃を首相に突きつけるのが見えたようだった。
そして、さらに一撃。しかも、今度は首相にではなく、先ほどの世襲改革の話で、内閣の大臣の中に嫌な緊張感がみなぎった大臣席のひとりへ、その一撃は向けられた。突然、「麻生大臣!まだまだ頑張れると思いますけど、ご勇退されたら息子さんを出したいですか?」と質問。
これに対して、面食らった麻生氏はやや狼狽した様子で、「予定外の質問で、通告受けてないね?」「必要あるかないか私が決めますから。後継ぎをさせるかどうかって意味ですか?」と述べた後に、ややあって「まだ引退すること考えてないから」と逃げた。
実は、この後さらに調べてみたら、この首相の「世襲制限」については、辻元氏が問題を出した前に、二階幹事長が三男の世襲をもくろんでいることが、週刊ポストによって下のような記事にされていたのが分かった!(ココから)
<麻生政権の選対副委員長だった(菅氏は)2009年の総選挙では、党内の2世、3世議員たちの猛反対を押し切ってマニフェストに「世襲候補の制限」を盛り込み、その後も、「私の持論だが、世襲制限は必要だと思っている」と言い続けてきた。だが、麻生氏と二階氏は“菅は逆らえない”と世襲を進める構えだ。3世議員である麻生氏の場合はすでに“4世”となる長男への後継レールが敷かれている。>
今回、早々に菅を首相にする道筋を作った二階幹事長。自分の引退後の選挙区へ鞍替え出馬を狙う世耕氏がいるが、三男に地盤を譲りたいようなのだ。息子の後ろ盾を期待して、1番乗りして首相候補にしたのかもしれない。
多くの官僚たちが、事務次官や要職ポストを得るために、恥も外聞も捨ててしまったのを国民はこの長期政権で目の当たりにし続けてきた。そして、菅首相も首相の座につくために大事な血(本意)を吸われて、首相についたはいいが、自分がもう首相になって実現したいと思っていた、本意が薄れてしまっている、何ともわびしい首相の姿が、そこに見えた。
これから、本意の「世襲制限」の大ナタを先頭に立って振るうことになるのだろうか?こんな体制に支えられて立った中で大ナタを振るえば、世襲議員たちから総スカンを受けて、来年総裁選であっけなく姿を消すことになるかもしれない。それでも、やるか?やっても、通らないか・・・。
「鬼滅の刃」のファンの皆様。鬼は、物語の中にいるだけではありません。人は、物事を実現しようともがく内に変質してしまう存在なのかもしれません。恨みとか、欲とか、周囲の人の影響とか。いろいろなことが、人を変化させてしまうのです。「鬼滅の刃」の前に読んだ手塚治虫の「ブッダ」の漫画の中でも、人がブッダのよい教えによってよく変わる場合もあるが、最後にまたブッダの教えとは違う道へと逸れてしまう姿も描かれていました。
問題は、自分がどう生きるか。あなたが何を大切に思って生きて行くかですよね。私は、どうせ生きるなら、炭治郎のように、世間の中で鬼と化してしまったり、しまいそうな人がいたら、しっかり見破って闘っていきたい。実社会では、殺したりなど身体的闘いはしないので、闘いを通して、結果的にその人にとっても、よりよい人生を見つけられることに繋がるように闘っていきたいと思っています。
菅首相の成長戦略会議のメンバーが明らかになり、そのひとり竹中平蔵氏が、テレビ番組で(非正規雇用が4割になっている現状)を憂いた「首を切れない社員なんて雇えないですよ!普通」「正規雇用は守られ過ぎてる」などと発言。正規雇用は異常だとして、会社が自由に解雇することができないのはおかしいと熱弁を振るい、労働者をまるで人として見ていない発言にネットが大炎上しているようだ。わたしもココから見て、竹中は人間の顔をした「鬼」ではないかと疑った。そして、菅首相は、こういう人を高く評価して政策立案の中心に据える人であることを、みなさん見逃さないで下さい!
炭治郎のような優しい心をもった人間には、鬼が見える、鬼の匂いがわかるはずです。
ごめんなさい。実は売り切れでまだ6巻までしか読めていません<泣>。でも、炭治郎は仲間たちや指導者に導かれ助けられながら、自分の感性を磨いて、力も強くなって最後まで鬼を退治して行ってくれるんですよね? 私たちも、しっかり炭治郎のように自分の感性を磨き、力を鍛えながら、仲間をどんどん増やして頑張りましょう! まずは、(ココ)をクリックして、首相vs辻元議員の闘いを見て下さい。