『おれおれ詐欺(振り込め詐欺)』に関連して思い出したことがありました。
もうかれこれ十数年前のこと。
ある晩9時過ぎごろ、電話がかかってきてとったところ、実家の弟からでした。(と、この時は思い込んでしまった。)
「もしもし」
『もしもし、おれだけど。』
「どうしたの?こんな時間に。」
『今からそっち行っていいかな?』
「えっ?いいけど。」
『じゃあ、これから行くから。』
「何?今どこにいるの?」
『今?○○。(隣町の駅名)』
「わかった。」
ガチャリ。
しかし、こんな時間にいったい何故家に来るなんて言うんだろう?
用件も言わず・・・それまでそんなこと一度もありませんでした。
いったい何の用事があるのかしら・・・。
隣町の駅からだから、30分もすれば着くはずが、待てど暮らせど待ち人は来ません。
とうとうしびれを切らして実家に電話をしてみました。
すると・・・。
弟は実家にいました。
しかも!電話などかけていないと!
えぇ~っ!?
すごく声が似ていたのです。
『おれだけど』
たったこの一言でてっきり弟だと思い込んでしまいました。
確かめもせず、会話していたのでした。
向こうもこちらが誰かとは聞きませんでした。
まだ『おれおれ詐欺』など無かったころで、電話番号の通知機能もなかったころでした。
弟ではなかったとわかっても、あれは絶対弟の声だった。
まるできつねにつままれた気分でどうしても信じられませんでした。
思い込みってホントに怖い。
ふと、昔の出来事を思い出し、それこそ用意周到で人を騙そうとしてかかってくる電話に、いとも簡単にだまされてしまうって多いにあり得ることだと思いました。
それにしても・・・
あの時のあの人は、何も知らない先方に行ってどうなったのか・・・?
ちょっと意味ありげな様子でした。
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