活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ブックフェアと電子出版EXPO

2011-07-09 10:58:27 | 活版印刷のふるさと紀行
暑いのに東京ビッグサイトに勇躍、行ってきました。
机の引き出しに招待券が入っていたはずなのに出かける間際に探せども
見つからず。はじめて、1200円也を払って「法人ユーザー」のプレ
ートを首にかけての入場です。損して得取れ、マサカそう思ったわけで
もありませんが割に貪欲に見て回ったつもりです。

 ひとくちで感想をいうならば、ブックフェアというよりも電子出版
EXPOの方が優勢、会期も会場も一応、区分されていると思いましたのに
まさに、両者が混然一体、書籍が置かれている現在の立場を象徴して
いるようで、うれしくもあり、悲しくもありでした。

 うれしくもありの方は奈辺にありやといいますと西2ホールの入り口
を入りますと、まず、目に飛び込んできたのが凸版印刷と大日本印刷の
大きなブースでした。同じ会場に共同印刷も図書印刷も廣済堂もといっ
た具合に印刷会社がならんでいますし、モリサワや写研といったフォン
ト会社も「ここぞ」とばかりに出展しておりました。

 
 つまり、長年、紙の出版のパートナーだった印刷企業がこぞって電子
出版のパートナーとして力強い助走を始めております。助走だなんて、
トンデモナイもう第一コーナーに差し掛かっているよと言われそうです
がまだ、印刷企業も出版社も摸索状態にあるとも見てとれます。

 私の印象では、凸版は電子出版のデジタルコンテンツに力をいれてい
ますし、大日本は書店を含めた出版業界全体の電子出版ビジネスに取り
組んでいると見ました。共同印刷はハイブリッド型ビューアーを使って
教育や資格取得のための読む・見る・聞くができる「自己ガク」と銘打
って特化した形で発表しておりました。

 「本展の規模は巨大です、1日では見きれません、2日間、3日間の
来場をおすすめします」とありましたが、ずっと以前のデュッセルや東
京のブックフェアで感じた会場全体が「知の森」だったアナログ出版
時代を思い出すとちょっぴり悲しくもありでした。

コメント
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