活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

楽しみは出版マーケットとこれからの印刷会社

2011-07-23 11:00:05 | 活版印刷のふるさと紀行
 『ぴあ』は廃刊ではなくて休刊のようです。近頃は雑誌コードの問題があって
次回のために休刊にするところが多いようです。

 今朝の日経本紙企業2面に『凸版、出版印刷を再編』という記事がありました。
これは、出版界で発行部数が縮小しつつある雑誌や書籍の現状に対して、印刷界
の今後のありようを示唆するニュースとして受け止めることができます。

 記事の大要は、凸版印刷では主に板橋工場と川口工場の両方でで雑誌や書籍の
「出版印刷」を手掛けていますが、こんど50億円を投資して川口工場に新ライン
を設置して出版物の印刷は川口に集約すると伝えています。
 板橋工場の方はプリプレスや電子書籍用のデータ作成などデジタルの生産拠点
にするとありました。

 新聞は未来形で書かれておりますが、おそらく既に川口に新ラインが完成して
印刷から製本まで一貫体制で生産は進んでいるでしょう。

 長い間、雑誌や書籍を印刷する印刷会社は出版社から印刷受注をしての「受注
産業」の経営が続いておりました。
 たとえば、この記事の板橋工場にしても何十万部、何百万部の発行部数の雑誌
を24時間、輪転機をフルに稼働させて生産していました。大日本印刷の市谷工場
も全く同じだったと思いますし、共同印刷のコミック誌の印刷風景も同じでした。

 しかし、いまやそういう単品種大量印刷の時代は去ったのです。クライアント
任せの受注産業では経営は成り立たなくなり、印刷会社は「印刷」という冠を自
ら投げ捨てて歩みだすという側面も見せはじめています。
 では、これからの印刷会社はどうなっていくのでしょう。

 きわめて個人的な感想ですが、この記事から私は凸版印刷のもっとも歴史と伝
統のあるメイン工場板橋工場の新しい顔の方が興味があります。
 ライバルの大日本印刷のメイン工場市ヶ谷も工事中と聞きます。
 出版マーケットの動きも興味ありますが、印刷会社のこれからの経営展開も楽
しみです。

コメント
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