活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

「雑誌は時代を映す鏡」-国会図書館の企画展示

2012-03-01 17:05:18 | 活版印刷のふるさと紀行
 神田川大曲塾の会合で話題になっていた国立国会図書館の企画展示、
「ビジュアル雑誌の明治・大正・昭和」をようやく見て来ました。
いまごろになっての寒波滞留、おまけに雪、ついつい億劫になっての
“怠け”でしたが、閉展ぎりぎりでも見ることが出来て「よかった」と
喜んでおります。

 会場入り口に長尾館長の挨拶が掲げられていました。その一節に
『雑誌は時代を映す鏡だといわれています。雑誌には読む楽しみだけ
ではなしに見る楽しさがあります。新しい印刷技術がそれを支えてい
ました(概略)』とありました。実はこの企画展の狙いはまさしく、
ここにあって、展示としては1877年(明治10)の『團團珍聞
(まるまるちんぶん)』から大正や昭和創刊で今日も続いている雑誌
までをそれこそビジュアルに観られる仕組みで、明治初期からの日本の
印刷技術を通覧できたのです。

 会場は、第1部ビジュアル雑誌を支えた印刷技術、第2部ビジュアル
雑誌の展開、第3部あの人気雑誌の創刊号の3部構成でした。
 やはり、私にしてみれば第1部の雑誌のビジュアル表現を生み出し、
支えて来た印刷技術の展示がうれしかったのですが、第2部の災害、グ
ラフ誌、戦争、人、ファッション、子ども、美術、写真と8項目ごとに
明治・大正・昭和のビジュアル雑誌の展示を食い入るように眺めている
人がたくさんいました。それだけ興味深い展示でした。

 しかし、気になる問いかけもありました。
 グラフ誌の終焉というパネルの中に『見るという欲望が次々と満たさ
れる現代、雑誌はその役目をおえたのでしょうか』と自問自答のコピー
がありました。テレビをはじめインターネットはもちろんのこと、新しい
メディアの登場でグラフ誌は終焉を迎えているのではという問いかけと
受け止めました。

 いずれにしましても東京会場は明日3月2日までです。都合のつく
方はごらんになることをお勧めします。関西の方は国立国会図書館関西館
で3月9日から28日まであります。http://www.ndl.go.jp/






 
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