活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

社名から「印刷」を消す日はいつか。

2012-03-18 11:56:22 | 活版印刷のふるさと紀行
 今朝のことです。毎朝、目覚まし代わりにしているラジオで新語紹介として
「自社生産出版」をとりあげていました。この場合の自社とは出版社のこと、
つまり、出版社はいままでは自社でソフトの制作したあと、製版や印刷や製本
などはハードは外注していました。それをソフトもハードもすべて自社でこなす
ようになった。そうすれば、少部数でも対応できるし、時間も短縮できると。

 「いまごろ、なにをいっているのだ」これが私のが率直な感想です。
たしかに、日本では浮世絵の時代から、版元と刷りは別でしたし、明治以来、
印刷会社は出版社を得意先にして受注生産を進めて来ました。大きな出版社は
大きな印刷会社、大きな印刷会社は大きな出版社という欧米のような経営形態は
存在しません。

 その産業形態がデジタル化で出版・印刷両サイドで大きく変わらざるを得なくな
りました。多年の受注体質は印刷会社サイドに出版社に対する遠慮があるために、
印刷会社が「自社生産出版」を謳うようなことはありませんが、早くからメディア
の加工を手がけ、いろいろな分野に進出していることは周知の事実です。

 たまたま、その同じ朝、朝刊各紙に新iPadの発売の店頭行列が報じられていまし
たが、情報の加工や受け止めやメディアのツールがどんどん進展するなかで、もう
出版も印刷も垣根はなくなっているのです。
 私は今のような限定的な「印刷」が死語になる日が近い。社名に「印刷」を入れて
いる会社、大日本や凸版や共同などがいつ社名からそれをはずすのだろうかと興味を
持って見ています。




コメント
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