人魚姫ってご存知ですか?
アンデルセンの童話*(キラキラ)*『人魚の姫』*(キラキラ)*。
今回は、このあまりにも有名なお話をご紹介したいと思います☆
人間の王子さまに恋した人魚姫。
自分の声を代償に、魔法の力で人間の姿になった人魚姫は、憧れの王子さまに会うことができますが、王子さまの愛を手に入れることができず、海のあわとなって消えてしまう…
子どもの頃に読んだお話を、おぼろげにそんな風に覚えていました。
あわとなったその後にもお話が続いていたなんて知りませんでした!
それに、細かいところで驚きも。
さんごのお城。
美しい海底の描写。
人魚のお姫さまは6人いて、人魚姫はその一番下の妹。
十五才になると、海の上の外の世界を見ることが許される。
一番下のお姫さまである人魚姫が十五才になったその日、初めて海の上に出た彼女が出会うことになるのが運命の王子さま☆
でもなぜこのお話はハッピーエンドじゃないのか?
王子さまと結婚して、いつまでも幸せに暮らしました、めでたしめでたし、じゃなぜいけないのか?
さんごのお城でお姉さんたちと一緒に暮らすこともできた人魚姫。
しかし、王子さまのことが忘れられない彼女は王子さまと再び会うことを選びます。
例え、人魚でいられなくても。
例え、美しいその声を失っても。
そして、魔女の登場。
人間になるには、あまりに大きな代償を必要とします。
歩くたびに剣で刺されるような痛みをともなう二本の足。
美しい声を差し出すために切りとられてしまう舌。
しかも、王子さまが他の女と結婚してしまったら、その翌朝には心臓が破裂して、海のあわとなってしまうのです。
少し話はズレますが、私が子どもの頃、家ではニワトリを飼っていて(今でも実家では飼っています)、祖母が首をしめて血を抜き、羽をむしって調理していました。
子どもながらにその残酷さに目をそむけたものです。
気分が悪くてその料理には手をつけませんでした。
今思えば、そうした場面から多くのことを学んだような気がします。
童話は時として残酷です。
人生も残酷なもの、とはいいたくありませんが、残酷なことを受けとめる、少なくても、それに出会ってもビックリすることがないように、あらかじめ知っておくことは大切なんじゃないかと思います。
まぁ、知っていたとしてもビックリすることに変わりはないとは思いますが★
誰かがいつまでもお肉をパックに包んで売ってくれるとは限らないですからね。
王子さまに再会しても、口がきけず、言葉のしゃべれない人魚姫は自分の思いを伝えられません。
それども、そのまなざし、その美しい踊りは人々の心を打ち、王子さまにも受け入れられます。
美しいドレスを着、王子さまの寝室の近くで休むことを許され、片時も王子さまのそばを離れない人魚姫。
それでも足は歩くたびに剣で刺されたように痛み彼女を苦しめます。
口の聞けない人魚姫は、どこか身分や財産で自分の望んだ人生を選ぶことのできなかった女性(もしくは当時の人々)を連想させます。
王子さまに大切にされ、愛されていると思っていた人魚姫ですが、突然王子に結婚話が持ち上がります。
王子さまが他の女と結婚したら、彼女の体は海のあわとなってしまう…
そして運命の王子さまの結婚式の夜。
人魚姫の前に人魚のお姉さんたちが現われ、一本のナイフを手渡します。
このナイフで王子の心臓を刺し、その血をあびれば、もとの人魚の姿に戻れる…
―この王子のために、お姫さまは家族をすて、家をすてたのです。美しい声もあきらめたのです。くる日もくる日も、かぎりない苦しみをがまんしてきたのです。それなのに、王子のほうでは、そんなことは夢にも知らないのです―
~本文より~
果たして人魚姫はどうするのか?
もちろん、みなさんご存知ですよね?
でも、そこにいたるまでの人魚姫の心情が、こんなにも切なく描かれているとは私は知りませんでした。
よく知られたお話も、たまに読み返してみると面白いです♪
作者のアンデルセンは本名ハンス・クリスチャン・アンデルセンといって、19世紀のデンマークに生まれました。
家は靴屋で、小学校にもろくに通えなかったといいます。
この『人魚の姫』はそんな彼の作品の中でも最も有名な作品の一つで、彼の名声を決定的にした作品だともいわれています。
他にも『雪の女王』『マッチ売りの少女』など、世界中の子どもたちに愛される多くの作品を残しました。
今から二百年以上昔の作品です☆
アンデルセン 著
矢崎 源九郎 訳
新潮文庫
アンデルセンの童話*(キラキラ)*『人魚の姫』*(キラキラ)*。
今回は、このあまりにも有名なお話をご紹介したいと思います☆
人間の王子さまに恋した人魚姫。
自分の声を代償に、魔法の力で人間の姿になった人魚姫は、憧れの王子さまに会うことができますが、王子さまの愛を手に入れることができず、海のあわとなって消えてしまう…
子どもの頃に読んだお話を、おぼろげにそんな風に覚えていました。
あわとなったその後にもお話が続いていたなんて知りませんでした!
それに、細かいところで驚きも。
さんごのお城。
美しい海底の描写。
人魚のお姫さまは6人いて、人魚姫はその一番下の妹。
十五才になると、海の上の外の世界を見ることが許される。
一番下のお姫さまである人魚姫が十五才になったその日、初めて海の上に出た彼女が出会うことになるのが運命の王子さま☆
でもなぜこのお話はハッピーエンドじゃないのか?
王子さまと結婚して、いつまでも幸せに暮らしました、めでたしめでたし、じゃなぜいけないのか?
さんごのお城でお姉さんたちと一緒に暮らすこともできた人魚姫。
しかし、王子さまのことが忘れられない彼女は王子さまと再び会うことを選びます。
例え、人魚でいられなくても。
例え、美しいその声を失っても。
そして、魔女の登場。
人間になるには、あまりに大きな代償を必要とします。
歩くたびに剣で刺されるような痛みをともなう二本の足。
美しい声を差し出すために切りとられてしまう舌。
しかも、王子さまが他の女と結婚してしまったら、その翌朝には心臓が破裂して、海のあわとなってしまうのです。
少し話はズレますが、私が子どもの頃、家ではニワトリを飼っていて(今でも実家では飼っています)、祖母が首をしめて血を抜き、羽をむしって調理していました。
子どもながらにその残酷さに目をそむけたものです。
気分が悪くてその料理には手をつけませんでした。
今思えば、そうした場面から多くのことを学んだような気がします。
童話は時として残酷です。
人生も残酷なもの、とはいいたくありませんが、残酷なことを受けとめる、少なくても、それに出会ってもビックリすることがないように、あらかじめ知っておくことは大切なんじゃないかと思います。
まぁ、知っていたとしてもビックリすることに変わりはないとは思いますが★
誰かがいつまでもお肉をパックに包んで売ってくれるとは限らないですからね。
王子さまに再会しても、口がきけず、言葉のしゃべれない人魚姫は自分の思いを伝えられません。
それども、そのまなざし、その美しい踊りは人々の心を打ち、王子さまにも受け入れられます。
美しいドレスを着、王子さまの寝室の近くで休むことを許され、片時も王子さまのそばを離れない人魚姫。
それでも足は歩くたびに剣で刺されたように痛み彼女を苦しめます。
口の聞けない人魚姫は、どこか身分や財産で自分の望んだ人生を選ぶことのできなかった女性(もしくは当時の人々)を連想させます。
王子さまに大切にされ、愛されていると思っていた人魚姫ですが、突然王子に結婚話が持ち上がります。
王子さまが他の女と結婚したら、彼女の体は海のあわとなってしまう…
そして運命の王子さまの結婚式の夜。
人魚姫の前に人魚のお姉さんたちが現われ、一本のナイフを手渡します。
このナイフで王子の心臓を刺し、その血をあびれば、もとの人魚の姿に戻れる…
―この王子のために、お姫さまは家族をすて、家をすてたのです。美しい声もあきらめたのです。くる日もくる日も、かぎりない苦しみをがまんしてきたのです。それなのに、王子のほうでは、そんなことは夢にも知らないのです―
~本文より~
果たして人魚姫はどうするのか?
もちろん、みなさんご存知ですよね?
でも、そこにいたるまでの人魚姫の心情が、こんなにも切なく描かれているとは私は知りませんでした。
よく知られたお話も、たまに読み返してみると面白いです♪
作者のアンデルセンは本名ハンス・クリスチャン・アンデルセンといって、19世紀のデンマークに生まれました。
家は靴屋で、小学校にもろくに通えなかったといいます。
この『人魚の姫』はそんな彼の作品の中でも最も有名な作品の一つで、彼の名声を決定的にした作品だともいわれています。
他にも『雪の女王』『マッチ売りの少女』など、世界中の子どもたちに愛される多くの作品を残しました。
今から二百年以上昔の作品です☆
アンデルセン 著
矢崎 源九郎 訳
新潮文庫