思わぬ通知が届きました。
アパートの大家さんがローンを返済できなくなって、私たちの住んでいるアパートが競売にかけられるというのです!
エ~!!
不景気の波がついにここまで!?
大家さんの豪邸がアパートの目の前にそびえているので、はじめはちょっと信じられませんでした。
でもいろいろ聞いてみたところ事実みたい…
わからないものですね。
お金の心配なんてないのかと思っていました。まだ高校生の子供もいるのに、大丈夫かな?
競売で持ち主が替わった場合、賃貸目的で保有するなら住人はそのまま継続して住める可能性もありますが、最悪、立ち退き。
その場合は新しいアパート探さなきゃ…
ここ気に入ってたのになぁ(墓地の隣だけど)
人生、いろんなところで転機が訪れますね~
最近読んだ本は、三山喬さんの、
『ホームレス歌人のいた冬』 (東海教育研究会)
数年前、「ホームレス歌人」として朝日新聞の歌壇欄に登場し、その後消息を絶った、公田耕一(おそらくペンネーム)を取り上げたルポタージュ。
序盤は作者の想いばかりが先行し、ちょっと的外れな感じですが、いわゆる「ドヤ街」の人々が語りだす中盤から、その人生観、日々の生活、送ってきた壮絶な人生に引き込まれてしまい、最後まで読んでしまいました。
リーマンショック後、派遣切りや首切りで多くの労働者が収入と住む場所を失い、テレビで「派遣村」が話題となったのはたった3年前のことです。
2008年12月8日の朝日新聞朝刊に、初めて彼の作品が掲載されます。
(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ
〈ホームレス〉公田耕一。この本は彼の人生に迫るものでも、ましてや真実に近づく内容でもありません。
作者は彼の痕跡を求め、横浜寿町界隈をグルグル徘徊するだけです。まるで聖地を巡る巡礼者のように…
南米で暮らしたこともある作者が、ドヤ街で暮らす多くの人が老人、特に男性が多いことを見て、「そこには希望がない」とつぶやくのが印象的でした。貧しさなら、南米のスラムの方が数倍貧しい。だが、そこには女性や子供たちの姿があった。家族がいて、明るい笑い声と希望を感じさせる何かがあった。それに比べ、日本の老人たち、いや、いまや中高年、若者たちの何と孤独で孤立してしまっていることか。
七十七歳で二十年近く路上生活や保護施設で暮らしてきた女性はその歳でようやく生まれ故郷近くの市営住宅の抽選に当たり「人生で一番幸せ」と語ります。
「たぶん神様が、ふるさとで死になさい、とプレゼントしてくれたんだと思います」
公田耕一さんの歌はもちろん、アメリカで終身犯として二十年以上収監されている、郷隼人の詠んだ歌も紹介されています。
とても考えさせられる本でした。
読書後、こんな言葉が思い浮かびました。
私たちは忙しすぎます。だからお互いを見つめ合う時間も、互いにほほえみ合う時間も持ち合わせていないのではないでしょうか。
―マザー・テレサ―