民主党政権の内閣改造、今回は防衛大臣に民間人を登用するというサプライズがありましたね。
大学の先生だということですが、元自衛官で元外交官。
TVでもよくお見かけする顔だったので確かにちょっと驚きでした。
それにしても大臣の顔ぶれ、女性少なすぎ。
別に男性だろうと女性だろうと、能力さえあれば比率なんか気にすることはないと思いますが、それにしてもこう極端だと、本当に少子化対策する気があるのかと思ってしまいます。
かといって某TV局のように、女子アナをお花のように隣に座らせておけという番組つくりも、どうかと思いますけどね。
碧野圭さんの小説、 『書店ガール』(PHP文芸文庫) を読みました。
とあるチェーン店の書店で働く女性たちを主人公に、様々な人間模様と書店の命運、そして「働く」ということを描いたお話。
主人公は二人の女性。
書店の副店長で、40代独身の女性と、ズバズバいうあっけらかんとした性格が災いして、職場でいやがらせなんかを受けてしまう年下の強気の女性。
最初は何かとぶつかる二人ですが、共通しているのは書店で働くことが好きだってこと。
職場内のいやがらせや、嫉妬、男女関係など、出だしはちょっとドロドロしているのですが、中盤以降、どんどん物語に引き込まれてしまいました。
特に書店の危機に、アルバイトや派遣社員までもが協力して頑張る姿にはジーンとくるものが…
女性の働く環境の問題や、結婚、職場での女性差別と、作者はちょっと男性を悪役に書きすぎているきらいはありますが、それを差し引いてもけっこう人間関係がリアルで身につまされるんですよね。
直木賞を受賞した、池井戸潤さんの『下町ロケット』とどこか似たところがあって、書店再建のために懸命に智恵をしぼって努力するアルバイトや派遣社員を、会社という組織が無残に押しつぶす様は読んでいて腹が立ちました。
40代独身の女性副店長が、恋愛や親のことで問題を抱えながら、好きな本に囲まれ、お客様にいかに気持ちよく本を探してもらえるかに気を配っている姿には感動。
職場では気を張り、部下に厳しくあたる彼女が、父親ひとりが待つ家に帰ってひとりで食べる食事のシーンはぜひ読んで欲しい!
この本は2007年に「ブックストア・ウォーズ」として出版されたものを改題したもの。
新しいタイトルからして、最近の「書店を舞台にした小説人気」の尻馬に乗ろうとする編集の思惑を感じないわけでもありませんが、そう思って読むと「アレ?」と思ってしまうかも知れません。
それでも最後まで読めば満足できる内容だと私は思います。
吉本ばななの『キッチン』や、主人公が幼い頃から通っていた本屋の主人、そして副店長の父親など、心憎い演出もうまい。
本棚に本を並べることひとつを取っても、お客が取りやすい並べ方っていうのがあるんですね~
近状の本屋さんに行って、本の並べ方をチェックしたくなりました☆