『友だちは必要か?』
「友達って、必要だと思うかい?」「そりゃあ、絶対必要だよ。ひとりぼっちじゃ寂しいじゃん。」「僕は友達なんかいなくたってぜんぜん平気だよ。」「ペネトレは猫だからさ。」「人間だって、本当は同じなんじゃないかな。今の人間達は、なにか間違ったことを、みんなで信じ込みあっているような気がするよ。」「猫のことは知らないけど、人間は、自分のことを本当にわかってくれる人がいなくては、生きていけないものなんだよ。」「そんなことはないさ。そんな人はいなくたって生きていけるさ。それが人間が本来持っていた強さじゃないかな。他人から理解されたり、認められたり、必要とされたりすることが、一番大切なことだって言うのは、今の人間達が共通に信じ込まされている、間違った信仰なんだ。人間は自分のことをわかってくれる人なんかいなくても生きていけるってことこそが、人間が学ぶべき、なにより大切なことなんだ。そして、友情って本来、友達なんかいなくても生きていける人達の間にしか、成り立たないものなんじゃないかな?」「そんな話は、初めて聞いたよ。」
どうも、前置きがちょっと長くなりましたが、今回ご紹介する本は、永井均教授の『子どものための哲学対話』という本です。
内田かずひろ氏の絵も相まって、楽しく読むことのできる作りになっています。
内容はご覧の通り。
驚きと発見に満ちた、目からウロコと言うより、「いま初めて目を開けました、これが私の生きてる世界?」って、ここまで言うと、ちょっと大袈裟かな。まあ、それくらい、わたしにはうれしい出会いとなった本です。
”ぼく”が拾った猫の「ペネトレ」は、とってもかわった変な猫。
人の言葉を話し、しかもその内容ったら、普通の人とはぜんぜん違う。
「人間って、何のために生きているの?」
「結局は・・・遊ぶためさ。」
「あの人、走ってるね。」
「ランナーだからね。」
「走るからランナーなんだよね。」
「いや、ランナーだから走ってるんだよ。」
「クジラは魚に見えるけど、本当は哺乳類なんだよ。」
「その逆も言えるよ。哺乳類に思えるけど、肝心な形や生活環境からしたら魚なんだって。」
「なんで形や生活環境が肝心なのさ?」
「じゃあ、なんで内部の仕組みの方が肝心なのさ?」
「見かけや外形の奥に隠されているものこそが、その物の本当の姿だなんて、 君が科学に洗脳されているからだよ。」
「違うの?」
「それは、ひょっとしたら、奥にあるものを知っている人が、知らない人達に対して権力を持つために作りだした作り話だったんじゃないかな?みんな、うまくだまされちゃったのかもしれないよ。」
この他、二人はつぎつぎと難問、珍答を繰り広げます。
それがどれも、おかしいのに考えさせられるものばかり。
次回は、そのいくつかを紹介しましょう。
この世に『当たり前』なんてないってことに、ドキドキしたい方に、ぜひ。
永井 均 著
内田 かずひろ 絵
講談社
「友達って、必要だと思うかい?」「そりゃあ、絶対必要だよ。ひとりぼっちじゃ寂しいじゃん。」「僕は友達なんかいなくたってぜんぜん平気だよ。」「ペネトレは猫だからさ。」「人間だって、本当は同じなんじゃないかな。今の人間達は、なにか間違ったことを、みんなで信じ込みあっているような気がするよ。」「猫のことは知らないけど、人間は、自分のことを本当にわかってくれる人がいなくては、生きていけないものなんだよ。」「そんなことはないさ。そんな人はいなくたって生きていけるさ。それが人間が本来持っていた強さじゃないかな。他人から理解されたり、認められたり、必要とされたりすることが、一番大切なことだって言うのは、今の人間達が共通に信じ込まされている、間違った信仰なんだ。人間は自分のことをわかってくれる人なんかいなくても生きていけるってことこそが、人間が学ぶべき、なにより大切なことなんだ。そして、友情って本来、友達なんかいなくても生きていける人達の間にしか、成り立たないものなんじゃないかな?」「そんな話は、初めて聞いたよ。」
どうも、前置きがちょっと長くなりましたが、今回ご紹介する本は、永井均教授の『子どものための哲学対話』という本です。
内田かずひろ氏の絵も相まって、楽しく読むことのできる作りになっています。
内容はご覧の通り。
驚きと発見に満ちた、目からウロコと言うより、「いま初めて目を開けました、これが私の生きてる世界?」って、ここまで言うと、ちょっと大袈裟かな。まあ、それくらい、わたしにはうれしい出会いとなった本です。
”ぼく”が拾った猫の「ペネトレ」は、とってもかわった変な猫。
人の言葉を話し、しかもその内容ったら、普通の人とはぜんぜん違う。
「人間って、何のために生きているの?」
「結局は・・・遊ぶためさ。」
「あの人、走ってるね。」
「ランナーだからね。」
「走るからランナーなんだよね。」
「いや、ランナーだから走ってるんだよ。」
「クジラは魚に見えるけど、本当は哺乳類なんだよ。」
「その逆も言えるよ。哺乳類に思えるけど、肝心な形や生活環境からしたら魚なんだって。」
「なんで形や生活環境が肝心なのさ?」
「じゃあ、なんで内部の仕組みの方が肝心なのさ?」
「見かけや外形の奥に隠されているものこそが、その物の本当の姿だなんて、 君が科学に洗脳されているからだよ。」
「違うの?」
「それは、ひょっとしたら、奥にあるものを知っている人が、知らない人達に対して権力を持つために作りだした作り話だったんじゃないかな?みんな、うまくだまされちゃったのかもしれないよ。」
この他、二人はつぎつぎと難問、珍答を繰り広げます。
それがどれも、おかしいのに考えさせられるものばかり。
次回は、そのいくつかを紹介しましょう。
この世に『当たり前』なんてないってことに、ドキドキしたい方に、ぜひ。
永井 均 著
内田 かずひろ 絵
講談社
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