Il film del sogno

現実逃避の夢日記

Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125

2010-12-22 00:36:00 | 日記
12/21(火)曇り後雨
毎度の早朝出勤と午前のミーティング。午後は新橋、青物横丁へ出張る。夕刻、来客ひと組み。巨大メーカー系販社も不況で顔色が冴えない。夜は友人から貰った招待券で師走の風物詩となっている演目のコンサートを鑑賞。
池袋・東京芸術劇場は小・中のホールで芝居(新劇やら商業演劇やら)を見たことはあるが、2,000人収容の大ホールは初めて入った。自慢のパイプオルガンをバックに120名のフルオーケストラと80名の混声コーラスが整然と並び19:00ジャストに演奏は厳かに始まった。カラヤン指揮のCDは愛蔵し、学生時代に友人の素人オーケストラで生演奏を聴いたことはあるが、プロの演奏は流石に迫力満点。
第九は相当な難曲であることは素人でも解る。パリ生まれのドイツ系アメリカ人指揮者もカリスマ性があって躍動感に溢れた演奏。第4楽章はやはり圧巻である。クライマックスのアップテンポでは思わず腰が浮いた。あの旋律を聴く度に思うのだが、ベートーベンって奴は結構粘着系の厭な性格してたんじゃないかと思う。そういえば3~4年前『敬愛なるベートーヴェン』(Copying Beethoven)という交響曲第9番の誕生を背景にベートーヴェンと写譜師(昔は複写機なんかないからなぁ)のアンナという架空の女性の交流を描いた映画が公開されて大変面白かった。ベートーベンにエド・ハリス、アンナにダイアン・クルーガーという配役。監督は『太陽と月に背いて』(傑作です!)でデュカプリオに詩人ランボーを演じさせた女流のアニエスカ・ホランド。功成り名を遂げた楽聖のマエストロが映画では孤独で誰からも愛されない難聴に苦しむ頑固おやじ。身だしなみにもこだわらず、人前で放屁やゲップを平然とする。映画のクライマックスは実話を基にした第九の初演。既に聴力を失っていたベートーヴェンは各楽章のテンポを指示する役目で指揮台に上がる。彼はこの初演は完全に失敗だったと思い、演奏後も聴衆の方を向くことができず、また拍手も聞こなかったため、聴衆の喝采に気がつかなかった。見かねたアンナ(実際はアルト歌手)がベートーヴェンの手を取って聴衆の方を向かせ、はじめて拍手を見た、というシーンが感動的であった。終演後、ジムで遠泳して定刻帰宅。文化的な一日でありました。
コメント
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