12/21(水)曇り
奉公先のパソコンで突然の訃報を知る。日記をひもとくと81年9月に新宿ヘラルドで『の・ようなもの』鑑賞。監督(脚本)の記念すべき劇場第1作を公開直後に観て大いに感心した。若い落語家(まだ前座か二つ目)のオフビートな青春綺談。秋吉久美子のソープ嬢。洒脱な語り口は熟練の職人芸を思わせる、等々の断片的なメモあり。以降、全作品をリアルタイムで鑑賞。落胆させられることもあったが、それは期待値が高いだけで、トレンドをつかんだシナリオも書ける器用な映像作家だと思ふ。個人的なベストは『ときめきに死す』『39 刑法第三十九条』『それから』と、やはり『家族ゲーム』は外せない。鑑賞時のインパクトを大切にしたい。『未来の想い出』や『間宮兄弟』などの小品も悪くない。今回30本近いフィルモグラフィーを眺めて思ったのだが、全作劇場で観て以来一回も再見していない。にも拘らずメインストーリーや役者の表情、印象的なカットなど実によく覚えていた。贔屓というものはかくあるべし。われはクラシカルな映画ファンであるから、スターや監督のブランドで劇場の前で足を止める。享年61とは少し驚き。もっと若いと勝手に思っていたのだ。文芸坐あたり特集には是非馳せ参じたい。謹んで合掌。
奉公先のパソコンで突然の訃報を知る。日記をひもとくと81年9月に新宿ヘラルドで『の・ようなもの』鑑賞。監督(脚本)の記念すべき劇場第1作を公開直後に観て大いに感心した。若い落語家(まだ前座か二つ目)のオフビートな青春綺談。秋吉久美子のソープ嬢。洒脱な語り口は熟練の職人芸を思わせる、等々の断片的なメモあり。以降、全作品をリアルタイムで鑑賞。落胆させられることもあったが、それは期待値が高いだけで、トレンドをつかんだシナリオも書ける器用な映像作家だと思ふ。個人的なベストは『ときめきに死す』『39 刑法第三十九条』『それから』と、やはり『家族ゲーム』は外せない。鑑賞時のインパクトを大切にしたい。『未来の想い出』や『間宮兄弟』などの小品も悪くない。今回30本近いフィルモグラフィーを眺めて思ったのだが、全作劇場で観て以来一回も再見していない。にも拘らずメインストーリーや役者の表情、印象的なカットなど実によく覚えていた。贔屓というものはかくあるべし。われはクラシカルな映画ファンであるから、スターや監督のブランドで劇場の前で足を止める。享年61とは少し驚き。もっと若いと勝手に思っていたのだ。文芸坐あたり特集には是非馳せ参じたい。謹んで合掌。