Il film del sogno

現実逃避の夢日記

エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン/無言歌

2011-12-20 03:06:00 | 日記
12/19(月)晴れ
快晴、されど気温上がらず寒い。午前中で業務は自主免除。日比谷公園で弁当の昼食を終えて午後は銀座で映画の梯子と洒落こむ。まずシネスイッチでスペインの三ツ星レストランを追ったドイツ人監督によるドキュメンタリーを鑑賞。題名の通り45席しかない店舗は半年間の営業で年間8,000人ほどのお客しか予約を受け付けられない。世界中のグルメ垂涎のレストラン、その創作の舞台裏をカメラは淡々と描写する。シェフの提唱するコンセプトは新鮮さとサプライズ。全35品、各々あたかも近代アートのオブジェの如し。匂いも味も解らんのだから観ているこちらにとっては残酷なものである。料理が芸術であることがよく解った。次いで駅前のヒューマントラストで中国・文化大革命前の反体制狩り、所謂「反右派闘争」の悲劇を描いた問題作を鑑賞。舞台は中国西部、ゴビ砂漠での凄まじい強制労働の実態が延々と映し出されて気分が暗くなる。当然本国では上映禁止だったそうな。音楽は一切ない。荒漠たる寒々しい大地には人々の呻き声と死者にすがる遺族の号泣が響くばかり。これは観る者に残忍な史実の重さを強いる作品である。夢心地の様なメルヘンに酔うのも映画。砂を噛むような殺伐とした現実に向き合うのも映画。終演後カフェで読書をして気分を落ち着かせて帰路に就く。
コメント
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