風吹く豆腐屋

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専門

2008-04-29 19:09:44 | Weblog
今日の記事は至って真面目。
ネタ的要素も、落ちもありませんのでご了承を。



知り合いに「鳥の生き字引」みたいな人がいます。

名前や鳴き声はもちろん、生態、同定方法、繁殖についてなど、
鳥に関することでその人が知らないことはないんじゃないかと思ってしまうような人です。

仮に僕が鳥について10知っているとしたら、
その人は1000・・・いや10000は知っているだろうと思われます。

そんなだから(?)、行動はかなり奇人めいています。

昔、地元に、ハヤブサの亜種らしき個体が迷い込んできたことがあったんですが、
その個体の糞に触って、

「ぁー、やっぱり亜種は違う・・・」

なんて悦に入っていたこともありました。

さすがにこれは僕の目から見ても危ないです。



どんな偏屈なおやじのイメージが沸きました?



実はその人、僕の1個上なんですよね。
今22歳の大学院生です。

鳥を専門にできる学科へ行ったので、当然卒論のテーマも鳥でした。
その内容について簡単に野鳥の会の会報誌に掲載していました。

どういう調査を行い、どういう結論が出たか、
他に類似したどんな報告があったか、
また、その内容は「鳥学会」に投稿した・・・云々・・・

とまぁ、そんな感じ。



それを読んで、
ここまでひたむきになれるって凄いな・・・と思いました。

そうであらねばならないとまでは思いませんが、
あの人の生活はおそらく、専門である鳥一色。
寝ても覚めても鳥のことしか考えていないんじゃないかと思うくらい。


その卒論のための調査もかなり大変だったようですが、
それを可能にしたのはそれに対する情熱。
半端な気持ちじゃそこまで頑張れないと思います。
好きだからこそできることでしょうが、
好きだという気持ちだけでできることではありません。

現在彼は、10年計画でさらに深い研究を進めて行こうと考えているそうです。




・・・それを聞いて引け目のようなものを感じました。
一体自分は何やってるんだろと思って。

ようやく臨床的な・・・つまり将来に直結する専門的な内容の授業が始まったのに、
全く勉強してない・・・それ以前に授業をサボっているという体たらく。


今まではこんなの覚えたって意味が無いと思うことも多かったので、
不勉強の言い訳にそれを使っていました。
一方、今は重要なことばかりのはずなのに―。




あの友人を見習わないとな・・・と野鳥の会の会報誌を読んで思ったわけです。