風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

「後ほど実際にこちらの肉をお切りになっていただければ・・」

2010-04-16 03:58:28 | Weblog
今日の晩、業者の人が新しい電気メスの売り込みに来ていました。
なりゆきで学生の僕も参加しました。

実習中にこういうことは珍しくありませんが、
カンファレンスルームで「半額」の値引きシールが張られた鶏肉を
電メで切るというのもなんだか不思議な状況。
まぁ、普段触らせてもらえない電メに触れる絶好のチャンスではありました。

手術中に電メを使って皮膚を切開するとけっこうきつい臭いがします。
あの独特な臭いは人を切っているからだと思っていました。
食用の肉であれば、加熱により香ばしいいい匂いがするじゃないですか。
だから、電メを使ったときの嫌なにおいの原因は、
人の脂肪とか硫黄を含んだタンパクにあると思っていました。

だけど、食用の肉でも同じように臭いました。
あれは電メの設計上仕方ないものなんですね。
(いつもよりはだいぶおとなしいとは感じたけれど)

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この数日間、まずまず多忙な日々を送っていました。

3日間連続で手術の見学。
昼ごはんが晩ごはんになるのはデフォルトです。
(ご飯代出してもらえるって言う点ではとってもありがたいんだけど 笑)


昨晩は新人&学生歓迎ということで飲み屋につれていってもらいました。

一次会はほどほどよさそうな店でごちそうになりました。
二次会は露出の高い服を着た女の人が隣に座ってお酌してくれるような店に連れて行かれました。

どうも落ち着かず、縮こまっていました。
一次会のお酒が回って気持ち悪かった上に、この上なく眠たかったこともありますが・・。

隣にいたおねーさんは37といっていたけど、見た目はもっと若く見えました。
20後半でも通用しそうだったけど、若いねって言われるのは面倒くさいんだとか。

「私のお兄ちゃんの若かったころと似てますね~。
妹さんとかいませんか? 
―いるんですか! 私と似てません?
実は遠いところで血縁関係があったりして!」

・・こういうの、リップサービスっていうの?

トイレに行こうとしたら、別のおねーさんがわざわざトイレまで案内してくれました。
出てきたら、にこやかに笑みを浮かべたその人におしぼりを渡されました。

トレイくらい一人で行かせてくれ・・。

ちなみにトイレまで案内してくれたおねーさんは別の人。
26だと言っていました。
確かにそのくらいに見えました。さば読まれても全く分からないだろうけど。
働き始めてまだ4日目という新人さんでした。

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「こういうところで酔っ払ったおっさんの相手していて空しくなることないの?」
と先生の一人がその新人さんに。

それを酔っ払ったおっさんが聞くか・・と内心思いましたが、もちろん口に出すわけにも行かず。

「そりゃ、ありますよー」

「じゃあ、どうして―?」

「私、昼の仕事もしてるんですけど、彼氏と別れたばっかりで最近夜暇なんですよね。
ぼーっとしてるくらいなら夜も働いたほうが人生経験にもなるかなーって」

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いろんな仕事があるもんだなーと思いました。

睡眠時間削って身を粉にしながら働いておいて、わずかな空時間に夜遊びに出かける人がいれば、
そういう人の相手をするために夜働きに出ている人がいて。

その先生、小さな女の子がいるのに家には3日間くらい帰っていないらしいんですよね。
家庭よりもこういう付き合いのほうが大切なのかな・・

でも、今回っている科が過酷なのは確かです。
昨日は結局3時前ぐらいまで飲んでいたのに、翌朝8時からまたオペ。
昼ごはん返上して晩近くまで手術、カンファ、回診・・

夜遊びしなけりゃいいじゃないかって話ですが、
日付変わっても病棟に残っているのがわりと普通みたいで、休日出勤も当たり前。
そして基本的に朝は7時半か8時に業務開始。



僕が目指しているのはこういう生活なのか・・・?

今回は将来のことも考えて、選択してこの科を回っています。
が、正直やっていける自信がありません。
そこまで熱烈にこの科に行きたいというわけでもなく、少し興味があるというだけ。
まして手先が不器用で、こういうつきあいはあまり好きじゃないし、
場違いに根暗な人間がこんなところを志望していいものか、と。

 
なんだかいろいろよく分からないけれど、とりあえずこの選択実習もあと1週間あまり。
・・学生の実習としては楽しいんですけどね。