けがした人の傷を縫っているときに「外科の先生は裁縫も上手なの?」と聞かれることがあります。
「どうでしょうねー。使う道具が違いますからわかりません」といつも答えています。
昨晩、20年ぶりに裁縫する機会がありました。
新年度が始まるのにあたり、娘の保育園で使う布団に名前を書いた布を縫いつける必要があったんです。
ほとんどは妻がしました。
前の職場ですることが多かったとかで手際がよかったです。
僕も針と糸を借りてやってみましたが・・ダメでした。
まず玉結び、玉止めができない。
あらぬところに糸をかけてしまう。
・・何より、遅い。
悔しかったので外科縫合練習用の持針器と攝子(ピンセット)を持ち出してみましたが、使えませんでした。
外科縫合用の針は湾曲していて端に「弾器孔」という糸をかける穴がある(イラスト参照)のですが、
布にこの針を使えこの部分が針穴を広げ、玉結びした部分が抜けてしまう恐れがあります。
(人の組織は弾性があるのでそんなこと気にしなくていいんですけどね)
それ以上に厚みがない1枚の布は攝子ではつかみにくく、あえてそれらを使うメリットがありませんでした。
しばらく、どうにか外科の器具を使って効率よく裁縫する方法がないか考えてみましたが、結局いい方法を思いつきませんでした。
やはり裁縫には専用の道具を使うに限るようです。
(ただ一点、玉止めだけは外科用の持針器を使うと普通の裁縫道具を使うよりもきれいにできました)
結論、
外科医の裁縫が上手かどうかは人による 笑