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2016.3.5 『幌天狗』(1,222m)

 

  4日(金)の夜、Hiromiを拾って浜益に向かった。

この週末は、Hiromiが代休で月曜日が休日となることから、3日間の山旅となる。

途中の青山ダムで車中泊。

それで飲む時間をきっちり確保。

 

5日早朝、再び浜益へ進路を取る。

幌の果樹園除雪終点に駐車。

 

  7時20分、駐車地をスタート。

ここから『幌天狗』に向かうのは、もう何度目だろう?

スタートと同時に、前日のものと思われるスノーモービルのキャタピラ痕。

それが幌川に沿う林道を進むのかと思ったら、『幌天狗』方面へ方向を変えた。

従ってそれを利用させてもらったが、そこは国定公園の増毛山地であり、林道入り口ゲートにも「スノーモービル禁止」の立て札が立てられていた。

スノーモービルのキャタピラ痕は間もなく南方向に去っていった。

するとその下からスキーのトレースが現れた。

「ラッキーっ!」とばかりにそれにのる。

しばらく急登が続き、標高550mピークまで登りきると、あとはゆるい傾斜の広い尾根を淡々と進んで行く。

そんな単調な登行を続けていると、雪が降り出してきた。

それが登るにつれて強くなる。

鬱陶しくてたまらない。

やがて森林限界を過ぎ、頂上の1kmほど手前にかなり傾斜のきつい斜面が現れる。

雪面はガリガリでスキーのエッジを滑らせる。

辺りは濃いガスに覆われ、Hiromiの身に危険を感じ、スキーを外し担ぐよう指示した。

ところがそんなこともできずに、更に危険な状態。

するとHiromi、「もうやめよ~」。

しかし、天気予報では晴れると言っている。

そこで、スキーをデポしてツボ足で登ることにした。

考えてみると、その斜面でなんとかスキーを担ぎ上げたとしても、上部のシュカブラ世界をHiromiに滑られるはずがない。

ガスはとにかく濃く、純白の世界の中では焦点が定まらず、時折具合いが悪くなる。

ただ、何度も登っているルートなので、方向失うことはない。

そんな闇の世界を歩いていると、薄日が射し出し、目指す頂上がチラチラ見え出したではないか!

「Hiromi、見てみろ頂上だ!」、

「うわぁ~っ きれい~っ! やめなくてよかった~っ!」

それからの登行は、ただただ美の世界を楽しむ幸福感に満たされたもの。

 

 11時45分、頂上着。

東の『群別岳』や北隣りの『浜益岳』が美しい。

浜益の海岸線も、徐々に見渡せるようになってきた。

しかし頂上には長居せず、下降を開始した。

まだ次なる難関が待っていたからだ。

それはHiromiのスキーだ。

Hiromiはスキーが苦手で、急斜面の下降ならスノーシューの方が速い。

スキーのデポ地点近くで昼食を摂り、スキーの下降開始だ。

緩斜面はハの字でまあまあ。

本人もそれは楽しそうに滑る。

ところが急斜面となると、突然固まる。

「Hiromi、滑れーっ!」

「むり~っ!」

そしてどうするかと思ったら、なんと横を向いたまま階段下りを始めた。

スキーは育った環境が大きく影響する。

Hiromiが育った環境を聞くと、スキーとは無縁の世界。

だから仕方ないのよねえ・・・

 下りにもたっぷり時間をかけて、14時25分、駐車地着。

いやあ、長い下りだったなあ・・・

 

 下山後浜益温泉で汗を流し、新十津川町に移動して、

「かんぱ~いっ!!」

 

 

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