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2016.3.21 『野花南岳』(906m)

 20日(日)の夜は道々富良野~芦別線の野花南林道入口で車中泊した。

その前に翌日曜は、別の山に登るべく立ち寄ったのだが、車中泊場所の確保が難しく、当地まで移動した。

そして翌日は尻岸馬内林道から『中天狗』に登ることにした。

ところが夜遅くになって気が変わった。

天気予報は「曇り」としか言わない。

であれば、標高1,000mを超える山となると、上部はガスに包まれる可能性大だ。

それで、野花南林道の入口にいるのなら、標高の低い『野花南岳』(のかなんだけ)に登ろうじゃないか、と方針を変えた。

 

 『野花南岳』には数年前挑んだことがある。

その時も通りすがりで行き当たりばったり。

林道終点まで登ったところでガスに包まれてリタイアした。

今回も地形図を持っているわけではなく、目も通していないので、林道終点からの状況がわからない。

しかしながら今回はHiromiがGPSを持っていた。

そのGPS、Hiromiは使い方を理解していない。

それでも目指す山の方向がわかればそれで十分。

雪が固く締まったこの時期は、いかようにもルートを開拓できる。

 7時20分、野花南林道ゲートをスタート。

前日のトマムとは違い、こちらはもうツボ足で歩ける。

ただ、スノーシューを装着した方がスリップせずに歩けることと、帰路で雪が腐った場合に備えてスノーシュー着用とした。

私もHiromiもスノーシューは既に春用の小型を使用している。

 

 スタートしてまず目に飛び込んでくるのが眼前の見上げる「866mピーク」。

ほぼ正面に現れ、「あの上まで登らなきゃならないんだな」と、否応なく自覚させられる。

林道は急斜面を遠巻きしたり、ジグを切って登ったりしながらどんどん高度を上げていく。

途中、先が見えるところはショートカットして登った。

 

 8時30分、林道終点。

「866mピーク」が右手に頭を突き上げている。

ここから北西方向に目指す頂きがあるのだが、目の前には深い沢形が東西に走っていた。

帰宅して地形図で確認すると、西の近藤の沢川の支流であった。

深い沢形を避けながら「866mP」の北斜面をトラバースして東に進路を取る。

しかしこの沢形は深く切れ込んだまま長く伸びており、なかなかそれを越える地点が見つからない。

いい加減見切りをつけようと、スノーシューを外し、ツボ足で沢底に下り立ち、そのまま登り返した。

その後はアップダウンがほとんどなく、広く歩きやすい斜面を北に向かって登っていく。

そして手前のポコに立つと、目指す『野花南岳』をようやく目にすることができた。

それからはウキウキ気分で歩を進め、初登の頂上に立った。

ところがHiromiのGPSによると、頂上は更にその先120mの平坦地にあった。

9時45分、そこに行ってみたが、だだっ広くてつまらない。

尾根を登りつめたピークを頂上としたいものだ。

 

 下山はルートを変えてみた。

頂上手前のポコをそのまま南に下らず、一旦西に伸びる広い尾根を伝って下り、近藤の沢川支流に下り立って、林道終点に登り返すというもの。

しかしそれは誤りだった。

沢への下りでそのルートを選択したことを後悔した。

私一人ならいかようにも登下降できる状況下でも、Hiromiが同行となれば別だ。

固い雪面の急傾斜を下るのに肝を冷やした。

人を連れて登ることの難しさを、今更ながら知らされた次第だ。

 

 幸い何事もなく沢底から登り返して、

11時5分、林道終点。

広い林道上で昼食を摂り、またてくてく林道を下り、あちこちショートカットして、

12時10分、野花南林道ゲート着。

 

 今回は急きょこの山に変更して正解だった。

南側の『布部岳』、『中天狗』方面は、朝から低いガスに覆われて、けっしてそれが晴れることはなかった。

 

 私は退職後、次の会社に勤めて一週間が過ぎた。

今度の会社は、繁忙期の4月、7月、8月、12月の土曜休日がなくなる。

従ってそれらの月は週に一度きりの山行となる。

これが辛いのだが、山登りを続けるためには、働かざるを得ない現実がある。

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